子どもが伸びる「声かけ」の正体

沼田晶弘著 角川新書 からの引用

 

聞き方を変えるだけで会話が広がる

 

親御さんが子どものすべてを知りたいと思うのは、当たり前のことです。

親にとって子どもは唯一無二の存在ですから、学校ではどんなことを学んでいるのだろう、どんな友達をしているのだろうーすべてのことが気になるし、知りたい。

だから、子どもが帰宅すると、家で待っていたお母さんは質問します。

「今日、学校はどうだった?」

 

きっと「おかあさん、あんなことがあって、こんなこともあって、友達のSちゃんがこんなおかしいことをして・・」と話してくれると期待していたら、「別に」「普通」

 

(中略)

そこで、お母さんは学校で担任にこぼすのです。

「うちの子は何も話してくれないんです」

 

ボクはお母さんにこうアドバイスします。

「具体的に聞いてください。今日、どうだった?ではなく、例えば体操着を持って帰ったなら、体育の時間はどんなことをしたの?と聞きましょう。

そうすれば、今日は跳び箱の練習をした。何段跳んだの?というように話が広がっていきますよ」

 

(中略)日記や作文を書かせるとわかるのですが、子どもは特別なことがない限り、書いてはいけないと思っているのです。

だから、具体的に聞いて答えを引き出すやり方が有効なのです。

★zekkoutyou

このアドバイスは保護者にとってありがたいですね!

たぶん、先生方にとっても。

 

「どうだった?」ではなく、具体的に聞いてあげて、たくさん、話してほしいです。

雑記

先日、イチロー選手の名言

「小さなことを積み重ねることがとんでもないところへ行くただ1つの道」

を紹介しました。

 

今朝のニュースで、選手間投票で初代MVPに選ばれたサッカーの三笘薫選手が 子どもたちへのメッセージとして、語っていたことの一つがこれ。

毎日を大事することです。将来なりたい自分になるためには、毎日の小さな積み重ねしか成長する方法はありません。将来の夢に向かって、いま努力できることを頑張ってください」

 

その他に

「自分にしかない武器を持つ」

「自分を分析する力」

 

を挙げていました。

 

やっぱり、偉業をなしとげるとしても、何か人にできない特別なことをしているのではなく、「小さな積み重ね」をし続けているのですね。

 

二人の偉人の名言が重なってよりしみました。

 

小さなことの積み重ねを大切に!!

 

子どもの先生が心底笑えるクラスづくり

大竜 中村健一 土作彰 俵原正仁著 明治図書 からの引用

 

【1つの音に!?」

実際にやってみる。

 

「みんなでパンって、1つの音にしましょうね。1つの音になったら、このクラスはすごいクラスになる。0コンマ数秒の狂いもないように、合わせましょうね。

では、いきますよ、せーの!」

 

会場にパンっと1つの音が響いた。

普通は1回ではこうはいかない。

今回の参加者の一体感は、本当に素晴らしい。

 

「びっくりしました‼普通、1回目は失敗するんですけどね。素晴らしい、みなさんに拍手~!」

 

会場に大きな拍手が響き渡った。参加者も笑顔である。

 

「このクラス、本当にすごいんで、ハードルを上げていきますね。今と同じことを目をつぶってやってみましょう。できますか?では、いきますよ。目をつぶって、せーの!」

 

今度はさっきのように音がしない。ぺしっと情けない音がする感じである。スカッとまったく音のしない2人組もある。そんな2人組は顔を見合わせて失敗を笑い合っている。

 

「みなさん、大丈夫ですか?微妙ですね。ここでつまずいてもらっては困る。もう1度だけいきますよ。今度は絶対成功させるんですよ。では、いきます。せーの!」

 

1度めよりは多少ましなパシッと言う音が響いた。

 

「いや、素晴らしい!今度は音が出ましたね。さすが!今回の参加者は素晴らしいです。素晴らしい皆様に拍手~!」

 

オーバーに褒める私。ここでしっかりほめておかなければ、次に進めないからだ。

 

「みなさん素晴らしすぎるんで、最高レベルいきますね。今度は目をつぶって1回転してやります。いきますよ。目をつぶってください。そして、

目をつぶったまま1回転します。皆さん素晴らしいですね。以前、奈良教育大学でやった時には、3人前転しましたけどね((笑))」

 

・・・・

「では、目をつぶったまま、手を合わせます。せーの!」

今度ははっきりとスカッという感じである。会場に爆笑が起きる。

「手が当たった人いますか?」

 

私が手を挙げるように促すと、2人組だけ成功したペアがいた。

 

「素晴らしい!息がぴったりの2人組に拍手~!」

 

またまた会場に大きな拍手が響き渡る。

 

「悔しいんで、もう1度だけいきますね。目をつぶってください。そして、1回転します。いきますよ。今度こそ成功させてくださいね。せーの!」

 

今度もそんなに大きな音はしない。それでも私が聞くと、成功した2人組は増えていた。

 

「成功した人、増えましたね!素晴らしい!成功した2人組に拍手~!」

 

大きな大きな拍手で「1つの音に!?」のネタを終わった。

★zekkoutyou

私のような初心者には、このようなライブ形式で書いていただくと、とてもイメージがしやすく、自分でもやれそうな気持がします!

ほめ言葉も同時に学べます!

子どもと先生が心底笑えるクラスづくり

日本一元気が出ちゃうLIVE 最強の4人に学ぶ 愉快・痛快・おもしろい!

子どもと先生が心底笑えるクラスづくり

 

大竜 中村健一 土作彰 俵原正仁 著 明治図書からの引用

 

とりあえずお笑いネタ①「1つの音に!?」

 

・・・まずはやってみましょう。

教室に笑いをつくるって、そんなに難しくないのよ。

「1つの音に!?」という簡単なネタです。

2人組をつくったら、しゃがんでください」

・・・

「そうそう、若手も多いので言っとくと、指示するとき、終末を示すって大事なのよ。

『2人組をつくったらしゃがみなさい』、1番よく使うのは『黒板を写し終わったら、鉛筆を置きなさい』って指示ですよね。

これって2つの効果があります。

1つは、教師が把握できるでしょ。誰が2人組になっていないか?誰が書き終わっていないか?って。

もう1つは、子どもたちがやる気になるのよ。例えば黒板を写す場合、子どもたちは早く鉛筆が起きたくて、頑張って書くでしょう。そして教師が『〇〇くんがもう鉛筆を置いた。早い!』ってほめれば効果倍増ですね。」

 

「工夫もできますよ。たとえば、『黒板を写し終わったら、鉛筆を鼻の下にはさんで待ちなさい』とかね」

 

【一つの音に!?】

①隣の人と2人組になって、向かい合って立つ。

②教師は「先生の『せーの』の合図で、右手と右手を合わせます。

その時、『パンッ』という音が一つになったら、良いクラスだという根拠だからね」と説明する。

③「せーの」の合図に、子どもたちは右手と右手を合わせる。集中して心を合わせると教師うに「パンッ」と1つの音が響く。

④教師は「1つの音になった!すごいクラスだ。ではレベルを上げるね。目をつぶって同じことをします」と言う。今度は音が1つにならない。教師が「ばらばらじゃん」と軽く突っ込むと笑いが起きる。

⑤最後は目をつぶって、その場で1回回る。そして、目をつぶったまま同じことをする。1つの音にならないどころか「パンッ」の音ももしない。「スカッ」というかんじ。うまくいかなくて子どもたちから笑いが起きる」

★zekkoutyou

この「1つの音に」は、簡単で、誰でも直ぐにまねでき、クラスも温まりそうです。

実際に講座でこれをやったときの中村先生の言葉かけについては、続きで。

私が1番受けたいココロの授業

私が1番受けたいココロの授業 人生が変わる奇跡の60分 比田井和孝 比田井美恵著 ごま書房 から引用

 

イチロー選手は小学生の時、自分の役割に気づいていた

 

みなさんがご存じのイチロー選手。

イチローは、スゴイです、やっぱり。

自分が生まれてきた役割に、小学生の時に気づいていますから。

 

イチローメジャーリーグで2005年には、ジョージ・シスラーの年間257安打と言う記録を84年ぶりに破って、記録を262に伸ばしました。

 

あのメジャーリーグの記録ですからね。スゴイですね。(2008年時点)

 

で、イチローは小学校の時に自分の役割に気づいている。

なんでそれが分かるかっていうと、イチローは、小学校の卒業文集にこんなことを書いているんです。

 

「僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。

そのためには、中学高校と全国大会に出て、活躍をしなければなりません。

活躍をするには、練習が必要です。

僕は3歳のときから練習を始めています。

3歳から7歳までは、半年くらいやっていましたが、3年生のときから今までは、365日中、350日は激しい練習をしています。

だから、1週間で友達と遊べる時間は、5~6時間です。

そんなに練習をしているのだから、必ず、プロ野球選手になれると思います。

「そして、中学、高校と活躍し、高校を卒業してからプロ野球に入団するつもりです。

球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。

ドラフト入団で契約金は1億円以上が目標です。

そして、僕が一流の選手になったら、お世話になった人に招待券を配って、試合を見に来てもらうのも、僕のもうひとつの夢です。」

 

別に小学校のときに自分の役割に気づくことがえらいとは思わないんです。

大事なことは、「自分の役割なんだ」ってね、いつも考えて気づけるチャンスがあった時にそれに気づけるかなんですよ。

 

★zekkoutyou

イチロー選手は、本当にいろんなことを教えてくれる方ですね。

「小さなことを積み重ねることがとんでもないところへ行くただ一つの道」

イチロー選手にそう言われると、本当にそうなんだろうなあとしみじみと感じます。

 

まあ、小学生で、「365日中、350日は激しい練習をしています。」は、小さなことの積み重ねとはいいがたいですが。

 

心を育てる語り

渡辺道治著 東洋出版社 

 

 

引用してきたのはこの本 ↑↑↑

 

帯の後ろ側 ↓

 

全国から熱烈な支持を得るカリスマ教師による

子どもたちの心に明かりを灯す

「言葉のプレゼント」ブック

 

第1章(理論編)「心を育てる語り」とは

第2章(実践編)「明るさを保つ」語り         語りで学級に

第3章(実践編)「心を整える」語り          「価値の種まき」

第4章(実践編)「利他的に生きる」語り          をしよう。

第5章(実践編)「柔軟な解釈を養う」語り

第6章(実践編)「勇気ある一歩を踏み出す」語り

 

どの「語り」も、自分の学級でも語りたくなるものばかりです。

おすすめです。

 

 

心を育てる語り

渡辺道治著 東洋出版社 からの引用

 

心の体の連動性についての語り

利他の行いが運命を変える

 

コストにはまるで見合わない利他の行いにどんな価値があるのかを次の語りで伝えています。

~~~

その方は、宮城県南三陸町に住んでいます。

名前は松野三枝子さん。

松野さんは、10年ほど前、ある病気を宣告されました。

病名は、スキルス性胃癌。

癌の中でも進行が早く、また発見しにくいことが特徴の病気です。

松野さんは、体中に次々と癌が転移したために、食道、胃、腎臓、脾臓、胆のうなどを摘出しました。

それでも癌の侵攻は止まらず、7年前にはついに肺にも転移してしまいました。

医師からは「もう余命はほとんどない」と告げられた。

 

その時、東日本大震災が起きました。

松野さんは入院していた病院で入浴中だったそうです。

津波は病院をも襲いました。

松野さんは、あと1秒というところで助けられ、九死に一生を得ました。

しかに、入院できる病院はなくなった。

家に帰るしか道は残されていない。

この時に、松野さんは、はっきりと自分の「意識」が変わったのだと言います。

 

近くには、食べるものや住むところがなくて困っている人達が大勢いる。

今、私にできることをしよう。

・・・

 

もともと料理人だった松野さんは、避難所で炊き出しをすることにしました。

汗水たらして料理をつくり、毎日毎日大勢の人に振る舞いました。

ただひたすら人のために働き、動いたのです。

そうして1か月が過ぎた頃。

ようやく入院できる病院がみつかりました。

久しぶりに検査を受けた松野さん。

そこで信じられないことが判明しました。

体中にあった転移癌が、全て消えていたのである。

ひとつ残らず、です。

・・・

松野さんは言いました。

「どうして元気になったかは明確には言えないけど、震災で意識が変わったのは確かです。」

人のために、できることをしよう。

そのように意識が変わったことが、松野さんの癌を消したのでした。

これはサイゼリア創業者の正垣氏の話とも重なる話です。

人のために動こうとするとき、人間の体は信じられない力を発揮する。

それは、自分のために動こうとするときの比ではない。

自分の想像の何倍もの力が、人のために動く瞬間には湧き出てくるのです。

それは、命までも救うほどのエネルギーであることを、松野さんが教えてくれているように思いました。

~~~

 

小学校の高学年となれば、委員会やクラブ活動等で下級生を引っ張ることも多くなり、自分のために使える時間はどんどん減っていきます。

コスパ」の価値観に強く影響されていると、そのことを「損」とすら思ってしまう可能性もあります。

でも、世のため、人のために動くその行いは、自分自身にとっても素晴らしいことがあるとわかると、利他の行いに対する捉えが変わっていきます。

 

★zekkoutyou

たくさんの「語り」の中でも、これは、とてもインパクトがありました。

正垣氏の話もそうですが、「天への貯金」にもつながるように思えます。