「人生を変える思考スイッチの切り替え方 アドラー心理学」

今日の参考文献は、八巻秀先生の「人生を変える思考スイッチの切り替え方 アドラー心理学」です。

 

《勇気づけとはどんな技能か》

 アドラー心理学の重要なテーマは勇気づけ。まずは、「勇気づけの思考スイッチ」で自分を変えましょう。

 アドラー心理学の勇気とは、「困難を克服する力」のこと。人間の悩みはすべて人間関係。自分自身に活力を与えれば、人間関係を楽にとらえられるようになるのです。そして自分を勇気づけられる人は、他者も勇気づけことができます。つまり、自分を勇気づけられれば対人関係の困難は克服できるのです。

 そんな勇気づけは「目的意識をもってポジティブに考えること」から生まれます。

 自分を勇気づけるためには、まず過去のことを一度保留にして、未来に目を向ける目的思考が重要です。目的思考では、相手との共同の目的を考えます。その目的の中で、自分ができることを考え、実行するように心がけましょう。

 また、悲観的に考えることをちょっと休めてみましょう。悪い未来を想像しても、現実はよくなっていかないのは明らかですよね。楽観的になることで、前向きになれます。そして笑顔を忘れないようにしましょう。笑顔は、周囲だけでなく自分も元気にします。

 

《過去を振り返らず目的思考で生きる》

 自分自身への勇気づけでまず大切な考え方に目的思考があります。

 わたしたちは困ったことが起きたとき、「何がいけなかったのか」「どうしてあのときの選択を失敗したのか」などとつい過去に原因を求めようとしまう。これを原因論といいます。

 たとえば、大変な仕事に次々直面したとき「こんなことなら、別の会社に就職しておけばよかった」という人がいるとします。しかし、この状況をプラスに解釈すれば「この会社にいるから、仕事をたくさん任せてもらえる」「違う会社に入っていたら、もっとたいへんだったかもしれない」などと考えることもできるのです。

 プラスとマイナスのどちらの解釈をしたとしても、「この会社に就職を決めた」という過去は変えられません。であれば、そのときの自分の選択は正しかったと信じ、未来に向けて元気を出したほうがいいですよね。

 未来は、自分次第で変えることができます。そのためには、これから何ができるかを考えましょう。これが目的思考です。

 

《怒りをねつ造していることに気づく》

 怒りは対人関係においてマイナスな感情です。怒りを避けるためにはどうしたらよいのでしょう。怒りには「自分の正義感を発揮したい」「主導権をとりたい」「相手を支配したい」などの目的が隠れています。自分が怒ったとき、相手に怒られたとき、まずその怒りの目的を考えてみましょう。本当の目的と違うところで怒りが生じることが少なくないことに気づくはずです。怒るよりまず、優先すべきことに立ち返りましょう。怒りは自分でねつ造していることも少なくありません。「今、何をすべきか」に力を注ぎましょう。