「高校野球神奈川を戦う監督たち」③

今回も、「高校野球神奈川を戦う監督たち」からの引用です。

(ちなみに、この本は平成25年出版です。監督の在籍されている学校名等は、変わられていることが想像されます。ご承知おきください)

 

「横浜との試合のビデオは(筒香がいたときの横浜との対決。延長の末、勝利した試合のこと)現役の選手にもよく見せています。勝因のひとつは、ポテンヒットの多さです。初回からラッキーなヒットが続いていましたよね。でも、ポテンヒットを打つ練習なんてしていないわけです。打ち方もわからない。それが、なぜあの試合で生まれたかということです。」

 その理由を、水谷監督は「野球の神様がいたとしか説明がつかない」と表情を変えずに語った。水谷監督がそう話すと、納得してしまう。

 「日々、手を抜かずに何事にも一生懸命取り組んできた結果だと思います。こういうポテンヒットが出るチームは強いんです。」

 常日頃から「徳を積みなさい」と指導している。ゴミを拾うこと、周りに感謝すること、人の役に立つこと・・・生き方そのものがプレーに出ると考えている。

 2012年の春の大会だっただろうか。私がスタンドに入ろうとしたら、試合を終えたばかりの水谷監督が前を歩いていた。水谷監督は落ちていたゴミを自然に拾うと、そのまま何事もなかったかのようにポケットに入れて、スタンドに入っていった。

 佐野コーチに、「水谷先生はどんな人ですか?」と聞くと、「言っていることとやっていることにウソがない。自ら実行しているのが水谷先生のすごいところです。」と教えてくれた。この言葉が水谷監督の生き方を表現している。

 

 夏の甲子園に向かう前、水谷監督が選手に告げたことがあった。

 「相手がいたから、強くなれたよな。県大会の1回選から接戦を経験できたから、うちのチーム力があがった。もし、横浜にコールドで勝つなんてことがあったら、甲子園には行けなかったと思うよ。どんな試合も劇的な勝ち方で勝ってきたからこそ、応援してくれるファンも増えたと思う。対戦したすべてのチームに敬意を表し、感謝の気持ちをもって戦おう。」

 あの夏で、横浜隼人の野球に魅了された人も多いのではないだろうか。元気、全力疾走、バックアップを常に徹底し、チーム全員が前向きに野球に取り組んでいる。そして何より、ドラマチックな試合が続いた。

 

谷哲也監督 横浜隼人

90年開から監督に付いた。09年夏に劇的な試合の連続で神奈川を制し甲子園初出場を果たすと、12年には春季県大会初優勝、秋には初の関東大会出法を遂げた。

 

 

☆zekkoutyou

 ”常日頃から「徳を積みなさい」と指導している。ゴミを拾うこと、周りに感謝すること、人の役に立つこと・・・生き方そのものがプレーに出ると考えている。”

 

 これを読むとやはり思い出すのが、大谷翔平選手です。

 生き方そのものがプレーに出る。

 

やはり、大切なのは 生き方。 「徳を積むこと」なのですね!