今回も恩師の学級通信からの引用です。
生卵は
サトウハチロウ
生卵は
のどがいがらっぽくなるから いや
おならくさい
こんなことをいって
卵をひとつもたべなかった母
私が母の命日に
たくさん卵をそなえるのは
そのウソに頭を下げたいからなのです。
≪心のいたみを知れる人に≫
~教室は家庭と同じ~
上の詩はサトウハチロウの詩集、”おかあさん”の中でも特に私の好きなというかジワっとくるものです。
君らのお父さん、お母さん達が幼かった頃、卵はそれはそれは貴重品でした。
一つの卵を皆で分け合うにはどうしたらいいか、よく考えたものでした。
納豆の中に入れたり、山芋のだし汁に中に溶け込ませた、栄養を取り合ったものでした。
私の家も五人兄弟の貧しい家庭でしたから、幼い頃牛乳やカステラなどの高級品は病気の時にしか口にできないほどでした。
今の君らの家庭はどうですか。
時代が変わって卵一個はそれほど貴重ではなくなったものの、物価高のご時勢です。
少し贅沢をしようとすればお母さんは一番小さくて薄いお肉を食べているなどということはありませんか。
たまには外でお食事をといって家族そろってすかいらーくへ出かけたとき、メニューの中で最も安いものを注文なさるのは誰でしょう。
食べ物に限らずどんなことにも通じるおもいやりの心を家庭でもそして教室でも忘れないでください。
☆zekkoutyou
小野先生はよく、詩などの文章を引用して私たちに教えてくださいました。
私も学級通信を書いていた時に、よくまねをしたものです。
生徒が書いた詩や日記、日誌、ワークシートなどもよく通信に載せてくれました。
このサトウハチロウの詩と先生の文章は、今になってしみじみと心にしみてきます。