「明日の教室4」より

今日も参考文献は「明日の教室」4 です。

 

≪フォロー≫

 「フォロー」は対応の技術である。たとえば、子どもが発言すれば、教師はそれに対してコメントして評価する。この評価がフォローである。

 しかし、フォローは意識されにくい。まったくフォローをしない教師も多い。たとえば、「大きな声で言って」と子どもに指導したとする。その教師の指導に応え、子どもは大きな声を出す。しかし、大きな声を出したことに対して、なんのコメントもしない。つまり評価しない教師が多い。意識しなければ、フォローは忘れられがちなのだ。

 教師が指導した以上、がんばって応えた子は誉めてあげるべきだ。必ず誉めれば、子どもたちは「がんばれば先生が必ず誉めてくれる」と思うようになる。そうすれば、子どもたちは安心し、もっている力を十分に発揮できる。フォローもせず、不安だらけの教室では、子どもたちは自分のもっている力を十分発揮できない。

 

1 〈必ず誉める〉 教師の指導に対し、がんばって応えた子に対する賞賛

  ○子どもを安心させるため。今時の教室には、端的な発問や指示を出しても、それに応えられない子が増えてきている。子どもたちに安心感を与えるためには、誉めるフォローが必要である。「頑張れば先生が必ず誉めてくれる」子どもがそう思えば、安心して何事にも全力で取り組める。

  ・一生懸命取り組んだら、それをしっかりと誉める。がんばって取り組んでも、結果がダメなときは、発想や過程を誉めるとよい。「他の人が思いつかないような発想がすごい!」「最後までがんばって書いてあるね」等、結果以外を誉める方法はいろいろある。

2 〈救う〉    子どもが失敗したときに空気を換えたり、ごまかしたりして、子どもを助けてあげること

 ○これも、子どもたちを安心させるため。「失敗しても、がんばれば先生が必ず助けてくれる」と思えば、子どもたちは安心して全力が出せる。

 ・ある子が間違った答えを言い、どうしても誉めることができないとき、「素晴らしい間違いだね。この間違いはみんなの勉強になるなあ。おかげでみんな賢くなった」とフォローする。

 ・「先生、こんな間違いをする子、好きだなあ」というフォロー。その子の失敗も受け入れ、教師が「好き」と宣言することで、救われた感じになる。

 ・ごまかしたり、流したり、笑いにしたりするフォローも必要。失敗したとき、聞こえなかったふりをして流してあげる。「はい、次」とごまかしてあげる。笑いにしてあげる。

 〈叱る〉   教師の指導に対して、頑張らない子への対応。当然、厳しいものになる。

 ○子どもたちを伸ばすためである。教師の指導に対して頑張らない子を誉めていても、その子を伸ばすことはできない。厳しく「叱る」という対応が必要である。

 ・短くサッと叱る。迫力をもって1点についてのみ叱る。長々と叱るのは効果なし。

 ・叱ったら、やり直しのチャンスを与えるとよい。

 ・再チャンスで頑張った子は、やはり誉める。特に成長を誉めるとよい。子どもたちはどんどん伸びようとする。