「教師の対話力」

子どもと心でつながる 教師の対話力 相手になりきる力 渡辺道治著 学陽書房

参考文献

 

感じ取ろうとし続ける中で磨かれる自身の「あり方」

 

こどもの「ほしい」を感じ取るために重要なこと

①相手の状況や立場を可能な限り把握すること

②共感力をフル稼働し、相手がもとめているものについて仮説を立てること

③年齢や性別に応じた響きやすい言葉の傾向がある程度把握しておくこと

④傾向を把握した上で、相手の好みに合わせて内容をカスタマイズすること

⑤言葉の内容だけでなく、渡すものの種類や渡し方を工夫すること

 

この5つすべてが対話をする中で非常に重要だが、いずれも極めて難しい。

なぜなら、どこまで相手に寄り添おうと努めたとしても、自分が相手になることは不可能だから。

ただし、その感じ取る力を、意図的な努力によって一定程度磨かれることも確か。

 

うまくいかなかった対話の失敗例を分析したり、どうすればあの子に届く言葉が出せたかと考え続けたりと、日々思考を続ける中でアンテナの精度があがる。

対話がうまくいったケースよりも、うまくいかなかったケースから、多くを学べる。

 

相手の心の声に耳を傾けようとする中で、自身の対話における姿勢に変化が生まれていくことも大きなプラスを生むのだろうと思う。

自分に寄り添おうとし続けてくれる人の言葉は自然と届きやすく、また響きやすくなることは、ごくごく自然なことだといえるだろう。

★zekkoutyou

対話力をつけるためには、「相手になりきる力」(エンパシー)をつけること。

学校では、よく「寄り添う」という言葉をつかうけれど、なりきるのは無理と分かった上で、でもなりきろうと努力することが本当の意味で「寄り添う」ことなのかなと思いました。