「自分を勇気づける技術」⑤
岩井俊憲著 同文館出版からの引用です。
勇気づける人になろう
≪目的(未来)をみつめよう≫
「なぜ(why)」が相手の勇気をくじく
何か失敗をしてしまったとき、「どうして、失敗してしまったのだろう」「なぜ、うまくいかなかったのだろう」「何が悪かったのだろう」と人は考えがちです。
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これらの質問は多くの場合、言われた側にとっては”詰問”にしか聞こえません。
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他人に向けても、自分に向けても、いずれも勇気くじきの要素が高いのが、「なぜ(why)]
の質問なのです。
では、どうするのが適切なのでしょうか。
「なぜ、〇〇だったんだろう」という、過去や原因をほじくり返す「原因論」をいったんやめにして、
「どうすればよくなるだろう」
「どうやって改善すればいいだろう」
「何のために、これをするのだろう」という未来や目的に焦点をあてる「目的論」の考え方を試してください。
☆zekkoutyou
「なぜ」が詰問になって、答えようがないという場面・・・・悲しいけれど、本当によくあります。
小学校では、子ども同士のもめごとで「何で〇〇したの!?」という言葉がとても多いです。
そして、この言葉からは「だって・・・」という反論しか返しようがありません。
「何で〇〇したの!?」と詰問している側は本当は、謝罪を求めていることが多いのですが、謝罪を得るのは難しいです。
私は担任の時、「〇〇されて、いやだったよ」というように、I(アイ)メッセージを使うように教えていました。
そうすると、「ごめんね」といいやすくなります。
アドラーの「原因論」でなく「目的論」で考える、というのは学校現場では本当の役に立つ考え方に思えます。
「あの子がこんな問題行動をとるのは〇〇が原因だ!」っていくら考えても改善できないことばかりだからです。
その〇〇のせいにして終わってしまうのでは、教育できないからです。