困った児童への言葉かけと指導

赤坂真二著 学陽書房 参考文献

 

「困った子ども」への対応のポイント

③適切な行動に注目する

 

子どもがほしいのは注目や関心です。

ふだん、子どもが適切に行動しているときは、特に何の声かけもしないのに、問題行動をしているだけ、叱ったり注意したりして関心を示すものだから、子どもは問題行動を繰り返すわけです。

 

ですから、適切な行動に関心を払うようにします。

「いや、そんなこと言われたって、あの子にいいところなんてありませんよ」と思われるかもしれませんが、それは、本当でしょうか。

どんな子どもでも、適切にふるまっているときがあるはずです。

授業中ふらふらと立ち歩く子どもだって、着席する時間があるでしょう。

そのとき、見逃さずほめるのです。

 

私たちの目の前には「フルタイムの困った子ども」はいません。

「パートタイムの困った子ども」がいるだけです。

 

えつこさんのお絵かきは、授業中にするから問題なのであって休憩時間などで行われたら、適切な行動です。

そんなときは、笑顔で歩み寄り「上手だねえ」とよくほめました。

かずまさんは、ほかの子どもが頭を抱えるような難問を出すと、目を輝かせて食いついてくる知的好奇心が旺盛な子どもでした。

だから、そのときを逃さず声をかけました。

「その意見鋭いねえ」「うわ、感心した」と。

 

また、適切な行動を探すばかりではなく、ときには、つくりだすことも大事です。

かずまさんは整理整頓は苦手でしたが、ものを分解したり、修理したりするのが大好きでした。

ですから、クラスの鉛筆けずりやラジカセが壊れるたびに、真っ先に彼に修理を頼みました。・・・

 

不適切な行動をしても注目は得られませんよ、だけど適切に行動すれば認められますよ、適切に行動するっていうことはいいことだよ、ということを体験を通して教えるようにします。

 

フルタイムの困った子はいない。

探せば必ず適切な行動は見つかる。

また、みつけるだけでなく、作り出して注目しよう。

★zekkoutyou

 

>私たちの目の前には「フルタイムの困った子ども」はいません。

「パートタイムの困った子ども」がいるだけです。

 

名言・・・。

 

「パートタイムの困った子ども」なのに、

悪いことには       「いつも」「つねに」

よいことには       「たまたま」「特別に」

と言ってしまう。

 

これが、パートタイムをフルタイムにしてしまうのかもしれません。