上機嫌

私は子どもたちの前に立つときは「いつも機嫌よく」いることを心がけています。私にとって仰ぎ見る大先生である菊池省三先生と、堀裕嗣先生が、同じようなことを書かれていて嬉しくなりましたので、ここに紹介します。

 

「上機嫌は教師のマナー」 

 全国の教室を回って思うことのひとつに、「素敵な教室の先生は上機嫌」ということがあります。明るく元気で笑顔なのです。子どもたちだけでなく、参観しているこちらも楽しく笑顔になります。上機嫌と笑顔は伝染するのです。

 上機嫌で人と接することができるということは、相手の立場に立ってものを考えられるということでもあります。つまり、「こういうことをしたら、この子たちはもっとがんばるんじゃないかな」とか、「これをすると、安心して取り組むだろうな」などとポジティブに考えて指導できるようになるということです。子どもたちとうまくかかわれるようになり、つながっていけるようになるのです。

 子どもたちの前で上機嫌でいるということは、我々教師のマナーであると思います。(「ほめ言葉手帳」 菊池省三監修より)

 

「いつも笑顔でいること」

・・・(前略)私は教師の資質の第一として「いつも笑顔でいること」を挙げましたが、こう言うとよく「そんなことはできるわけがない」と反論されることがあります。

しかし、そういう人は何かを間違えています。仕事の選択を間違えたのかもしれないし、仕事の手法を間違えているのかもしれません。或いは生徒や保護者、同僚との距離感覚を間違えているのかもしれないし、仕事の優先順位を間違えているのかもしれません。いずれにしても、このままではいけないということだけは言えそうです。

実は、生徒たちを教育するうえで、「そばにいつも上機嫌で過ごしている大人たちがいること」にまさる教育効果の高いことはありません。教師は常に生徒たちのモデルとして機能します。もしもあなたが生徒たちと和気藹々と過ごしたいと感じているならば、或いはいつも和やかに過ごす生徒たちに育てたいと思っているならば、生徒がどうこうと考えるよりも、まずは自分自身が常に上機嫌でいられているか、つまり「いつも笑顔でいること」ができているかと考えるべきなのです。

いつも機嫌よく過ごすためにはよく寝なければならないし、余裕をもって仕事を進めなければならないし、生徒たちのトラブルやハプニングさえ楽しめるような心の余裕をもっていなければなりません。それができないうちは実は教師としての実力もまだまだなのです。・・・(中略)

まずは〈上機嫌〉に振る舞ってみる。今日は無理だなあ……という日は、その原因がどこにあるのかを自己分析してみる。そういう原因が自覚できれば、けっこう対処の仕方というのはあるものです。それを意識して生徒たちの前に立っているうちに、特に意図的に振る舞わなくても、ほんとうに上機嫌でいられるようになるものです。(堀 裕嗣氏 ブログより)