「T.E.T 教師学」⑤

続きです。

 

 

③教師の内部に引き起こされている感情を伝えること

 たとえば、「君が通路に足を出していると(行動の叙述)、私はつまづきそうで(具体的な影響)、倒れてけがをするんじゃないかと心配なんだ(感情)」

 生徒の行動が、予想しうる影響(つまづく)をおこす可能性がある。その影響が教師におそれの感情を引き起こしているーと教師は述べている。このような「行動→影響→感情」という順次性は重要だ。教師の恐れの感情は生徒の「行動」自体によるものではなく、「予想しうる影響」から起きていることが順次性からわかる。教師が恐れているのは、生徒の「足」で傷つけられることではなく、「つまづく」結果傷つくことなのだ。自分の行動が直接に教師を恐れさせていると感じる場合よりも生徒は防衛的にならないのである。

 

「わたしメッセージ」の効果

 教師がわたしメッセージを使うと目覚ましい成果があがる。生徒は教師がどのように感じているかを知り、びっくりする。そして生徒の方もありのままに答えるようになる。

 人間はだれも、自分の行動が他人にどんな影響を与えているか、気づかないことが多い。しかし、正直に非難がましくなく、そのことを話されると、予想以上に相手の欲求を考えるようになる。どんな小さな子供でも。わたしメッセージは「思慮のない状態」を「思慮のある状態」へ、変えることができる。・・

 子どもは教師を自分の模範にする。教師がわたしメッセージを送れば、生徒も正直なメッセージを送り返すのである。

 

 

☆zekkoutyou

 今回は、わたしメッセージを中心に紹介しましたが、後半には「教室での対立」「勝負なし法で対立を解決する」・・「学校の中で価値観が対立したら」「学校を教えやすい場所にする」「家庭の学習問題ー親と教師=生徒の関係」の章があります。

 今でいう、WIN-WINの解決法も紹介されています。

 改めて読み返してみて、Iメッセージをより意識して使っていこうと思いました。