「カリスマ体育教師の常勝教育」より

今日の参考文献は「カリスマ体育教師の常勝教育」原田隆史著 日経BP社です。

かなり古い本(2003年発行)です。

大谷翔平選手が書いていて、話題となった「マンダラチャート」は、原田先生の発案(?)というネットの記事を見てこの本を引っ張りだしてみましたが、内容は、古くありませんでした!

 

(マンダラチャートの初案者のことは、私には本当のところはわかりません。ご存じの方は教えてくだると嬉しいです。)

 

 

スポーツは「心・技・体」のバランスが大切であるといいますが、強い選手ほど「心」を大切にしていたのです。

 

…現在の中学生には、「真面目を恥ずかしがる」「夢を持とうとしない」「努力・向上心・勤勉さの欠如」「充実感、達成感、満足感がない」といった傾向があります。一方で、指導にあたる親や教師は、子どもの無気力、無関心に惑わされています。いずれも、問題は「心」です。

 そうした点を考慮して、様々な場で心を作る技術を学び、心づくり指導に工夫を重ねていきました。・・心づくりの指導の中心は「態度教育」と「目標設定」にあります。

 まず、はじめに徹底したのが、「静」と「動」の態度教育でした。

 静の態度教育とは、「靴をそろえる」「「椅子を入れる」「鞄をたてる」という3つの基本的な習慣や身だしなみ、背筋をピンと伸ばした姿勢を教えることです。これは他人とのコミュニケーションが苦手で、真面目を恥ずかしがる若者でも今すぐに、自分の気持ち一つで静かに始めることができます。

 それに対して、動の態度教育とは、「はいっ」という元気で弾むような返事ができることと、相手よりもはやく挨拶や返事をすることを指導します。相手よりも先に反応して挨拶をしようとすることは気づき能力を高めることにつながるのです。

 教える側の真剣さを子どもたちが全力で受け止め、日々、確実に成長させるためには、話を真剣に聞く態度が必要です。本来、それは、「しつけ」として家庭でおこなわれなければなりません。しかし、今の家庭には「しつけ力」が足りない。二十歳を過ぎてもまともな挨拶すらできない若者がごろごろいます。静と動の態度教育はそれを補う大切な指導でした。

 

 

☆zekkoutyou

教育者の森信三先生は、「返事・あいさつ・後始末」。この3つのことができれば子どもたちはしっかりと育つとおっしゃっていたと聞きます。著書の中にも「朝の挨拶、人より先に」、これを意識して行うことの大切さを説いておられました。

原田先生の指導にも通じます。やはり、大切なことはシンプルなのですね。