「新卒教師時代を生き抜く心得術~やんちゃを味方にする日々の戦略~」より

今回の本は、野中信行先生の「新卒教師時代を生き抜く心得術~やんちゃを味方にする日々

の戦略~」です。(明治図書) 

 

≪学級経営の3・7・30の法則とは?≫

 4月の1か月で、私は学級づくりの80%が終わると思っている。それほどまでに4月から5月連休までの1か月は、私たち教師にとって重いものである。私の経験からすると、よほどの力量がない限り、これ以降に〈この時間〉を取り戻すことは難しい。この1か月の過ごし方によって、担任は1年間の方向をつかむ。

 私は、この1か月を「3・7・30の法則」で作り上げる。(これは野中先生の造語)

 3とは、3日間、7とは1週間、30とは1か月のこと。

・・「今度の先生は楽しそうだ」というイメージを与える。学級のしくみづくりの第一歩を作る。

・・朝、学校へ来てから帰るまでの「学校の毎日」の仕事を決めてしまう。子どもたちにきちんと指導する中で、ポイントとなることを押さえる。

30・1週間で作り上げた学級の仕組みをさらに徹底する。気を抜かないで、手を抜かないで、何度も何度も繰り返し教え、指導する。

・子どもたちは、担任教師がきちんと教室に秩序だったシステムを確立してくれることを願っている。子どもたちはいつも心理的安定と居心地のよさを求めている。担任教師が、3・7・30の法則を使い、クラスの中に明確なルールときちんとしたシステムをつくりあげてくれるから、この法則が学級づくりに効果的。

 

≪まず、子どもに指導したい大切な3つのこととは?≫

 基本的な鉄則。私はクラスを受け持って2日目に必ず「返事・あいさつ・後始末」の指導を行う。

 「今から50年前に森信三といわれる先生がおられました。その先生は「子どもは3つのことができれば、しっかりした子どもになる」と言われました。多くの先生がそれを確かめました。本当だったのです。その3つとは何だと思いますか。

 それは、あいさつがきちんとできること、返事がきちんとできること、いすや靴の後始末がきちんとできることなのです。・・あいさつは人より先に自分からですよ。2つ目の返事も大切です。先生から名前を呼ばれたら、「はい」と返事することはとても大切です。3つ目が大変です。それは、靴の後始末といすの後始末です。靴の後始末はあとで実際に靴箱に行って教えます。いすは、必ず机の中に入れます。できるだけ音がしないように出し入れすることも大事ですよ」

 

≪担任が大切にしたいことを伝えるには?≫

 私は最初の3日間で大切にしたいことを次のように子どもたちに話す。

 大切にしたいこと3つ①いじめを許さないこと ②言葉を大切にすること ③間違いやできないことを恐れないこと。・・これを具体的に子どもに例をあげて伝える。この大切なことは、決して単発的にただ言っただけで終わらせないことである。継続的、計画的に指導の随所に盛り込んでいかなくてはならない。最初はマネするところから。マネすることを避けてはいけない。  そうです。学ぶは、真似ぶ、から!