「誰でも成功する児童の叱り方のキーポイント」④

「誰でも成功する児童の叱り方のキーポイント」中嶋郁雄著(学陽書房)続きです。

 

≪同じことを繰り返す子には≫

・あせらない

何度注意しても、同じことを繰り返す子がいる。・・・

しかし、1度や2度叱っただけで子どもが変わるものなら、苦労はしない。

同じことを繰り返す子を指導することこそ、叱ることの意味を問い直す良い機会と考えることが大切である。

 

・「期待している」と声をかける

例えば当番活動をよく忘れる子がいるとしよう。

一通りの注意をした後に

「この次は忘れるな。君なら大丈夫だ。期待している」

と言う言葉で締めくくるようにする。

子どもは見放されることをとても恐れる。

「先生に見放されている。どうせ僕なんか・・」と思うようになれば、ますます同じ過ちを繰り返す恐れがある。

「期待しているから叱るのだ」ということをしっかり伝えてあげる必要がある。

そして「いつでも君を見ている」と言うメッセージを暗に伝える言葉でもある。

教師があきらめれば、子どもの成長を望むことはできない。

徐々にではあるが、必ずできるようになると信じて叱ることが大切である。

 

・成功の自信を感じさせる。

このような子にこそ、「できた時の自信」を教える必要がある。・・・

10分の1の成功率であったとしても、その子にとってはすごいことなのだと考えるように心がける。

「よくやった。すごい。」とおおげさなくらい褒める場合があってよい。

ほめることが、子どもに自信を与え、「次もがんばろう」と自己改革に目覚めさせていくのではないだろうか。

 

・以前の失敗を持ち出さない

何度も同じ過ちを繰り返す子がいると、「またか?前も同じことをしただろう。いい加減にしなさい。反省しているのか・・」という叱り方になってしまいがちである。

しかし、このような叱り方を何度も繰り返していると、子どもは自信をなくし、「次こそは同じ失敗をしないようにしよう」と言う気持ちをなくしてしまう恐れがある。・・

同じことを何度も繰り返して嫌になっているのは当の本人である。改めて教師からそれを言われるのはつらいはずである。周囲の子どもたちへのメンツもあるはずである。

「またか・・」のような叱り方をしていると、周囲の子に「またあいつか。あいつはダメなやつ」という偏見を植え付けてしまうことにもなりかねない。

 

 

☆zekkoutyou

   「期待しているから叱るのだ」

  本当にそうであれば、そういう叱り方になります。

常に「期待しているから叱る」教師であることが求められますね。