「人の心を動かす伝え方」②

今回も、出口光著 あさ出版からです。

 

≪愚痴や嘆きにも本当の「想い」がかくれている

●嘆きの言葉にかくされた「想い」を見つける

 

愚痴や嘆きの裏側には本当の「想い」がかくされていることを理解すると、相手の話の聞き方も変わります。

 

私がアパレル系上場企業、株式会社タカキューの社長をしていたときのことです。

スペインのアパレル系上場企業の創業者と話をする機会がありました。

「ファッション業界は流行の移り変わりが激しくて、常に変化に対応しなくてはならない。一晩も安心して寝ることができないよ。なぜこんな商売を選んでしまったのか・・」という嘆きを聞かされました。

彼の言葉を表面だけでとらえれば、ただの不平不満、愚痴です。

「そうなんですか…(困ったな、まいったな)」と聞き流す人も多いでしょう。

しかし、私は彼の嘆きの中から、「変化に対応し続けてやる!」と言う覚悟を感じ取りました。

彼の本当の「想い」が自然と伝わってきたのです。

そこで、

「そうはいっても、生まれ変わったら、また同じ仕事をするんじゃないですか?」

と聞いたところ、

「そうかもしれないなあ。ファッションは変化だよ。変化をとらえて迅速に対応するためにまだまだやるべきことが山積みだからな」

「じゃあ、まだまだやる気なんですね!」

と言うと、彼は晴れやかな顔で

「もちろんだよ!」

と答えました。

嘆きの裏側には、彼の本当の「想い」があったのです。

 

「もっとできる」「もっとやりたい」という想いがあるから、自分に満足できなくて嘆きの言葉となって発せられているのです。

愚痴や嘆きが生まれたときは、言葉にパワーを与える大きなチャンスです。

そこには対極の想いがあるはずだからです。

あなたや相手の内面に発するものに耳をすませて、愚痴や嘆きの裏側になる本当の「想い」を聞き取りましょう。

そして、その「想い」を言葉にするのです。

それができるようになると、あなたのまわりには人が集まってきます。

愚痴や嘆きのパワーに変えることができるあなたのそばにいると、楽しくて力づけられるからです。

 

☆zekkoutyou

この本は以前にも読んでいるのですが、今回改めて、この部分に心が惹かれました。

自分に「愚痴や悪口を言わない」と課している分余計に、人の愚痴や嘆きに不寛容な自分であったと思い当たりました。

 

本当の想いを聞き取る。

もっと~~だったら!という想いがあるから、愚痴や嘆きが出るのですものね。

その裏にある想いを考えられるようになりたいです。