「先生と子どもの『怒り』をコントロールする技術」

佐藤恵子著 ナツメ社 からの引用

 

自分が変わることで、子ども達にも嬉しい変化が!②

 

自分自身が、自分の気持ちを知ることの大切さを、経験上理解しているので、子どもに対しても同じように指導している。

イライラしている子どもには、「水を飲んでおいで」「深呼吸しておいで」と、それ以上感情を高ぶらせないように対処することができる。

憤慨している子どもに対しても「~されたのが悲しかったんじゃない?」と氷山の水面下の感情に気づかせることもできる。

自分の本当の感情に気づいてもらった子どもは、安堵するのか、とても落ち着く。

 

現在、私は子どもたちに気持ちの言葉をたくさん言ってもらうようにしている。

友だち同士のトラブルに対しても、事実だけを伝える子どもに対して、「そのときどう思ったの?どう感じたの?」と必ず気持ちを聞いている。

繰り返し指導を続けた結果、子ども同士の会話の中で、「その言い方は僕にとって怖い言い方だな、やめてくれる?」と少しずつ感情の言葉が出てくるようになった。

 

私がアンガーマネジメントを勉強するきっかけをつくってくれた子どもも、怒りの温度計などのワークを通して、表現することの大切さや話を聞いてもらえることの喜びを感じ、少しずつ落ち着いてきた。

本当に嬉しい変化だった。

 

私は特別支援学級の担任をしているが、アンガーマネジメントを学ぶ対象はすべての子どもたちだと思っている。

怒りの感情は、大人も子供もみんな当たり前にもっている大切な感情。

しかし、子ども達の中には怒りを「ダメな感情」「いけない感情」だと思っているこどももいる。

そう思ったままでは、怒りを適切に表現することはできない。

すべての大人、子どもがそのことに気づき、適切に表現する機会を得られることを願っている。

★zekkoutyou

怒りの感情は、ダメな感情、いけない感情ではなく、当たり前の、大切な感情。

この認識に立った上で、適切な表現を身に付けていかれるようにしたい。

自分も、子どもたちも、大人たちも。