「アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学」③

小倉広著 日経BP出版からの引用です。

 

2 「勝ち負け」にこだわる「縦の関係」を捨てる

 

アドラー心理学では縦の関係を捨てない限り、対人関係はうまくいかない、と考えます。

縦の関係を捨て「横の関係」をコミュニケーションの前提とするのです。

横の関係とは、すべての事柄に上下、優劣、勝敗、正誤をつけずに「有益」か「無益」か、「建設的」か「非建設的」か、だけで考えることです。

縦の関係はコミュニケーションを通じて自身の立場を上昇させようとするもので、相互尊敬や相互信頼を最小のものにしてしまいます。

一方、横の関係は課題解決志向で協調性や発展性のプロセスを重視し、競争的な関係を最小なものにしてくれます。

「君の考えは幼いね。まだ未熟なんだよ」(上下という縦の関係)

「君の考えは劣っているね。僕の方が優れている」(優劣という縦の関係)

「君の考えは間違っているよ。僕の考えの方が正しい」(正誤という縦の関係)

というコミュニケーションをとる場合と、

「その考えはいいけれども、こちらの考えの方が、もっとうまくいきそうな気がしませんか?」(建設的か非建設的かという横の関係)

と伝えるのでは、どちらがうまくいきそうだと思いますか?

おそらく後者ですよね。

これが縦の関係を捨てて横の関係で考える、ということなのです。

 

☆zekkoutyou

これは、管理職である自分が、しっかり身につけなくてはいけないことですね。

立場をいいことに、上からいうことのないよう、戒めていかなくてはなりません。