教師の作法 指導

野口芳宏著 さくら社 参考文献

 

原理原則で叱る

 

子どものためと言いながら保身のために叱っている場合も多い

 

●絶対に許さない三つの行為

 

私はあまり子どもたちを叱りません。

授業中の誤答やテストの失敗は、前項でお話したように、むしろ褒める対象になります。

私が叱るのは基本的に次の三つの場合のみです。

 

1 生命に関わる危険を冒したとき

  赤信号なのに飛び出すとか、禁じられていることを面白半分に破るとか、命に係わるような危険な行為は厳しく叱ります。

 

2 人の不幸の上に自分の幸福を築こうとしたとき

  意地悪、いじめ、告げ口、嘘など、人を貶めることで自分の立場を高めようとす  るのは、人間としてもっとも卑劣な行為です。

 

3 同じことを三度言われても改善の認められないとき

  人からの注意を受け入れ、その指摘に応えようと努めなければなりません。

  口先だけの反省などは、何百回繰り返しても意味がない。

  ただその場を逃れようとするだけの、人の信頼を裏切る行為です。

 

この三つ以外のことなら、細かいことを気にせずのびのびと暮らせるクラスでありたい。

それが私の方針です。

★zekkoutyou

 私は若い頃にこの野口先生の叱る三つの行為を知って、とても参考になりました。

こういう「原則」を持っていると指導に一貫性とめりはりができます。

最初は、自分で作ろうと無理せずに先輩方からをまねていくのがいいと思います。