赤坂真二著 日本標準 参考文献
4 ひとりひとりを尊重するために
大切にされたいという思いを満たすためには、教師が子どもを大切にすればいいというものではありません。
子どもが大切にされていると実感することが大切です。
では、大切にされている実感を持たせるためには学級はどんな場所でなければならないのでしょうか。
次の条件が必要だと考えます。
①安全・安心であること
②認められていること
③自分の力が発揮できること
いじめや嫌がらせなどの侵害行為を受けていては、大切にされている実感を持てるはずがありません。
傷つくことは誰もがいやです。・・・
だからまず「安全・安心であること」が第一の条件です。
次に「認められていること」です。
良くも悪くも、友人との関係を非常に気にしています。
子どもたちが最も関心を寄せているのが、他者の自分への関心です。
物の豊かな時代だからこそ、お金では手に入れられない、他者からの関心に大きな注目が集まっています。
最後が「自分の力が発揮できること」です。
人は優しくされたり認められたりするだけでは、そこに居場所を感じません。
ちょっと想像してみてください。
あなたの職場の人はいい人で、あなたを傷つけたり馬鹿にしたりしません。
さらに話かけてもくれるし、何でも教えてくれるし、大変なときには手伝ってもくれます。
しかし、それだけであなたは居心地のよさを感じることができますか。
おそらく敏感な人は一か月ももたないと思います。
だんだんと「自分は必要とされていないのでは?」と不安になることでしょう。
人は受け入れられるだけでは、居場所を見出せないのです。
自分の能力を発揮し、その集団に積極的にかかわったり、貢献したりして、
「ここにいたい」とか「ここにいていいのだ」と思えるのではないでしょうか。
★zekkoutyou
①②はきっとほとんどの先生方が意識して取り組まれていることだと思います。
問題は③です。
>人は優しくされたり認められたりするだけでは、そこに居場所を感じません。
>人は受け入れられるだけでは、居場所を見出せないのです。
私は、この2文にハッと息をのまされました。
やはり「貢献」が必要なんだなぁと思いました。