子どもが伸びる「声かけ」の正体
沼田晶弘著 角川新書 からの引用
”勝手に”観光大使に任命し、子どもの自主性を引き出す
ボクが考える教育とは、生徒が自分の頭で考えたことを、クラスの仲間と話し合って、自分たちで判断して正解に近づいていくことです。
それが自立につながります。
世の中に出れば、否応なく自分で正解を探すことになるからです。
学校は社会で生きるチカラを身に付ける場所なのです。
それなのに先生が「答えは?」と生徒に聞いて、違ったら別の生徒をさす。
正解が出なければ正解を教える。
そのような受け身の姿勢で先生から知識を授けてもらうという授業の語りが、正しい教育につながるとは思えません。
例えば、5年生の社会の授業で「日本のことを学ぶので、〇〇県について調べる」と言うとき、ボクは生徒には「地元の世田谷について調べなさい」というような型どおりの命令をすることはありません。
「今日からみんなは観光大使だからな」と全員を観光大使に任命して、子どもたちに好きな地域を選ばせて都道府県の魅力を調べて発表してもらいます。
「みんなには『”勝手に”観光大使』になってもらう
そういうと子どもたちは最初「この人、今度は何を始めるつもりなの?」と言う対応をしますが、「地域は日本全国どこでもいいよ」「パワーポイントをつかってもいいよ」と言うと目が輝きます。~中略~
どの観光プレゼンテーションも素晴らしかったのですが、それをノートにまとめなければ力がつきません。でも、誰だって発表を終えたところで力が抜けるはずです。
そこで「発表をノートにまとめて知事に送ろう」と提案しました。
ノートを知事に送ったところ、続々と返事が届きました。・・・
★zekkoutyou
この著者は「ぬまっち先生」の愛称で有名な方だそうです。
私は不勉強で知らなかったのですが、勤務校の若手との雑談で「こんな先生になりたい!っていうモデルある?」って聞いた時に教えてもらいました。
先日図書館で「沼田」の名前を見て、もしかして、ぬまっち先生!?と思い手にとったら、大当たりでした。