比田井和孝 比田井美恵著 ごま書房 からの引用
・・・・ある日の休み時間に、あるクラスメートが質問に来たんですって。
N君が教えてあげたら、そのクラスメートは、
「ありがとう」って言って、自分の席に帰って行ったそうです。
これ、別に普通のシーンですよね。
ところがね、彼はこの時のことを、こう言っています。
「人から頼りにされて、心からの感謝の言葉を言ってもらうなんて、初めてでした」
彼、高校時代、どんな子だったかっていうと、授業中、寝る、さぼる、携帯、ガム・・当たり前だったそうです。
でもそれだけじゃないんです。
ものすごく暗かったんですって。
周りに人達からは、「お前、自殺するんじゃないの?」って言われるくらい、暗かったそうです。
さらには、周りに人のことに関心がなくて、
「人のことなんてどうだっていい。自分さえよければそれでいい」ってね、
ずーっと思っていたそうです。
その彼が、初めて人から頼りにされて、「ありがとう」って言ってもらった・・・・生まれて初めて。
彼にとっては衝撃なんですね。
「人に頼りにされるってこんなに嬉しいことなんだ!」
って思ったそうです。
それからのN君はスゴイんですよ。
なんと、自分のクラスメートに勉強を教えるためにクラスメートが、いつ、どんな質問をしてきても正確にちゃんと教えられるように、そのために授業を一生懸命聞くです。
自分でちょっとでもわからないことがあれば先生に質問にもいきます。いろんなもの調べます。
そしてクラスメートに教えるために毎日8時まで学校に残るんです。
教室で勉強を教えていたんですよ。
もちろん自分の勉強もあります。
でも、そんなもの置いてでも、とにかく教えまくるんです。
私、N君にこう聞いたんです。
「そんなに毎日遅くまで残って、教えてあげるの嫌じゃなかった?」って。
そしたらね、違うんですよ。N君、こういうんです。
「教えることが嬉しくて楽しくてしょうがなかった」って。
まさに、与えることそのものを喜んでやっていたんです。
★zekkoutyou
とても胸に響きました!
まさに、「してあげる幸せ」!!
こんな風に教え子が変化したら、嬉しくてたまらないですね・・・。
しかも、後日談があって、N君の誕生日に、クラスのみんなが集まってお祝いしてくれそうです♬
素敵ですね。