今回も 齋藤孝著 PHP 「たった1日でできる人が育つ!『教え方』の技術」からです。
≪おわりに≫
私は大学は法学部を出ましたが、大学院からは教育学を専攻し、「教育方法」について学びました。
現在は明治大学で教職課程の教員をしています。
ですから、いわば「教え方」を研究して30年くらいたつわけです。
その過程で気づいたのは、やはり「教え方」は意識して学ばなければ、なかなか身につかない、ということでした。
会社で上司の立ち場になる人の一番の悩みは、とにかく自分の仕事が忙しくて部下に仕事を教える暇がない、教えることにエネルギーを注ぐことができないということと、そのような状況で、自分とは異なる環境や時代に育ってきた若手とどう接し、仕事を教えていいのかわからないということだと思います。
ですから、いろいろなタイプに人とうまくコミュニケーションをとり、かつ的確な指示を出せるような優れた「教え方」が大切になってきているのです。
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先輩風を吹かすだけでは、今の若手はついてきてくれません。
むしろ「一緒にやっていく」「一緒に学び合う」と言う考え方を持った人の方についていくのです。
また「教えている暇がない」「悩みがわからない」というのであれば、「何がわからないのか」「何に悩んでいるのか」ということを事前に2つ3つチェックシート方式でメモ用紙に書いてきてもらえば、上司も素早くこたえられると思います。
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「今何に引っかかっているか、2つ3つメモしてきてみて」というふうにすると、部下もその時点で何が問題になっているのかと言う意識がはっきりしてきますし、上司も「AとBだったら、Bを選んだほうがいいよ」「それだったらこういうやり方があるよ」とすぐに教えられます。
部下の質問力を鍛えておくというのも1つの「教え方」の技術です。
優れた上司というのは、パッと話を聞いて状況を把握したうえで、すぐに的確な指示を出せる人です。
これからの時代、みんなに必要な能力なのです。
「教え方」には基本的な型があり、コツもあります。
そうしたことを意識して身に付けていけば、教えることへの苦手意識、不安、イライラも消えていくことになるでしょう。
☆zekkoutyou
「今何に引っかかっているか、2つ3つメモしてきてみて」
これは使える!と思いました。
私なら、メモでなく会話の方がいいなと思いました。
「最近どう?」「こまってることない?」・・より答えやすい!ですね。
あと、
「一緒にやっていく」「一緒に学び合う」と言う考え方を持った人の方についていくのです。」
というところにも惹かれました。そんな職場をめざしたいです。