今回は「相性不問、熱血不要 育てる技術」石田淳著 日経BP社からです。
≪残念な教え方≫
やる気に期待する
(要約)
・部下Kさんを課長Sさんは気にいっていた。
・しかし、慣れてくるとKさんの仕事の粗が目に付くようになった。
・「こんなミスをしていたらもったいないぞ、君の実力はそんなもんじゃないだろう」と発破をかけると「そうですね、気を付けます」と答えるがまた翌日も同じようなミスをする。
・ある日、喫茶店でさぼっているKさんを目撃。
・それからSさんはKさんを厳しく指導するようになった。
・すると他の部下の働きががぜんよくなった。
・Kさんは上司に取り入るのがうまいので、同僚から反感をかっていたらしい。
・すると、Kさんは公然とSさんにたてつくようになり、しまいには会社に来なくなった。
・Sさんは上司に呼び出され、Kさんの問題点を指摘したがそれをうまくやるのが仕事だろうと、一蹴された。
・上司がKさんを自ら説得して呼び戻した。
・Kさんは上司の後ろ盾を得て、ますます図に乗っている。
・他の部下の士気にもかかわるので困り果てた。
ここで、行動化科学マネジメントの出番になります。(ここから引用)
私がSさんに指導したのは、たったの2点だけである。
・相手がこちらの望む行動をしたら、褒めたり、喜んでみせたりする。
・相手がこちらの望まない行動をしたら、その行動だけを修正してもらう。
これを徹底するように説明すると、Sさんは半信半疑の表情だった。
「あんな態度の悪い人間をそんなしょっちゅう褒めていたら、かえってわざとらしくなりませんか?」
「いいえ、たくさん褒められて嫌な気がする人などいませんよ。ただし、行動だけを褒めてください。性格や見た目など褒める必要にはありません。もし、どうしても褒めづらいなら、『ありがとう』と肩をポンと叩くだけでもいいですよ」
Sさんはそれでも戸惑っていたようだが、ほかに方法もないので、
翌日から言われたとおりにやってみることにした。
・・
「ありがとう、助かるよ。具体的なコストまで計算してあるからシュミレーションしやすいってA社の担当も喜んでいたよ」・・・
「今のような答え方をしたら、質問したお客さんも安心すると思うよ」
・・・
一方、社内会議に遅れてきたK君がいい訳をしても、その内容にはこだわらずに、具体的な行動を示した。
「前に仕事と少なくとも30分、空けておいたほうがいいよ」
頼んだ資料が仕上がっていないときも、理由を問いただすのはやめた。
「接待の場にもっていかなければならないから、明日の5時までにやっておいて。無理そうなときは昼までに一声かけてくれ」
要するに、Kさんの性格や態度にフォーカスすることをせず、いい行動をほめ、問題があればその行動の修正法を具体的に指示したのだ。
ただし、他の部下にも同じように接するのを忘れてはならない。
この点もSさんに何度も言い含めた。
K君が上司に気に入られるかどうかで、ほかの部下が態度を変える状況も改善しなければならないからだ。
・・・
やがて、Sさんの接し方が変わると、K君の仕事の仕方にも変化が表れた。
K君が「特別な存在」でなくなると職場の雰囲気もよくなった。
Sさんのストレスは減り、今では見違えるようにイキイキとした表情で働いている。
☆zekkoutyou
>私がSさんに指導したのは、たったの2点だけである。
・相手がこちらの望む行動をしたら、褒めたり、喜んでみせたりする。
・相手がこちらの望まない行動をしたら、その行動だけを修正してもらう。
基本は「行動にフォーカスすること」
望まない行動には、「適切な行動」を教えること。
これは学級経営に、ばっちり使えますね!!