今回は、齋藤孝著 PHP 「たった一日でできる人が育つ!『教え方』の技術」からです。
≪「叱る」よりも「褒める」点を探そう≫
私は小学生を集めて教えていたことがあるのですが、そこでも同じスタンスを通していました。
以前、その授業を2~3時間ほど見ておられた角川歴彦さんから「齋藤先生、一度も叱らないですね」と感想をいただいたこともあります。
特に意識したわけでもないのですが、たしかにキツイ言葉で叱ったりしません。
それでも生徒たちは言うことを聞いてくれるのです。
もちろん、がんばればもっと伸びるのに、と思うことも多々あります。
つい怠けたり、注意力が散漫になったりする生徒も少なくありません。
しかし、そういう場面で大事なのは、とにかくプラスの部分を評価することです。
例えばテストで20点しか取れなかった子どもがいても、けっして「ダメじゃないか」とは言いません。
「2割はわかっているんだから、それを拡大していこう」と励ます方向にもっていきます。
これで子どもはネガティブな気持ちにならずに済むわけです。
一方で70点の子どもがいたら、相応に褒めたうえで「あとはここだけ」と足りない30点の部分を指摘します。
そうすると慢心しないし、次の目標も明確になります。
職場で新人や部下を指導する場合も、こういうパターンでいいと思います。
ポイントは大きく2つ。
ひとつは評価をブレさせないこと。・・・
いいものはいい、悪いものは悪いと是々非々で評価する必要があります。
そういう公平性や冷静さを持っていれば、周囲から安定感のある人として信頼されるはずです。
言い換えるなら、評価に感情を混ぜてはいけないということです。・・・
ましてや、部下や後輩がどんなミスをしても、怒ったり、動揺したりしてはいけない。
こういうときこそ、教える側としての真価が問われます。
もう一つのポイントは、やはり最終的にプラスになるよう評価するということです。
平たく言えば褒めることを主体にします。
それによって、自信を持たせ、もっといい結果を出そうというモチベーションを導きだすわけです。
☆zekkoutyou
人を育てる教え方というのは、小学生でも社会人でも本質は同じということですね。
はじめに には「誰もが教師になる時代」と書かれていました。
大人ですら、褒めることを主体に育てる時代、子どもたちはもっと褒められていいですね。