西川純著 学陽書房 からの引用
子どものアドバイスはすごい!
〇子どもは優れた教師になれる
私はいろいろなクラスで『学び合い』の実践を見ている。
子どもはなかなか優れた教師であることを頻繁に再確認する。
あるクラスでAがBに問題の解き方を教えてもらっていた。
Aがある程度わかった頃、別のCがBに教えてほしいと言いにきた。
その時、Bは、「Aちゃん、Cちゃんに教えてみなよ」と言ったのだ。
そして、AのCに対する説明をBはじっと聞いていた。
Bは教えることと、Aが本当にわかったかをチェックすることを同時にしているのだ。
そばで見ていた私は「う~ん」とうなって感激してしまった。
教師の支援は素晴らしいものだ。
しかし、教師の支援だけではクラス全員を救うことはできない。
1校時を子ども全員の数で割れば、1分少々。
1分でそれぞれに的確な個別指導をすることは不可能。無理なのだ。
それよりも、子どもの指導力を引き出せば、クラス全員が的確な個別支援を得られる可能性が高まるのだ。
もしかしたら、子どもの支援のほうがわかりやすい場合もあるのだ。
★zekkoutyou
1分でそれぞれに的確な個別指導をすることは不可能。無理なのだ。
一人ひとりの良い点や可能性をみつけ、評価し、課題解決に向けて自分で考え、自分から取り組むことができるようにし、一人ひとりに応じて学習課題や活動を工夫し、一人ひとりが意思決定できるような指導を行い、うんぬんかんぬん・・・・
そうなのです。
担任一人では無理なんです。
でも、学び合い以外、誰もこの無理なことを無理と言ってくれません。
学び合いでは、これらを教師一人で担うのではなく、児童生徒と一緒にやればよい、と言っているのです。