みなさんは手帳を使っていますか?私は、いろいろ試しているのですが、今年度は菊池省三先生のほめ言葉手帳を使っています。菊池省三先生は「ほめ言葉のシャワー」という実践が有名です。「プロフェッショナル仕事の流儀」に教師として初めて出られた先生ですのでご存じの方も多いかと思います。
この手帳には、月ごとにほめるポイント、週ごとに「価値語」が掲載されています。今回はそれらをご紹介していきます。
≪覚悟をもってほめよう≫
「ほめるところのない人はいない。ほめるところを見つけられない自分がいるだけだ」という言葉を私は自分への戒めも込めて大切にしています。力がないのは相手ではなく、相手の価値に気付くことができず、相手の力を引き出すことができなかった自分のほうだと考えているのです。
気になること、マイナスなことは、すぐに目につきます。それにダメ出しをすることは簡単にできます。
しかし、そのままでは次につながる成長は望めません、どの子も成長したいと思っているのです。心の視野を広くして、一人ひとりの価値を発見して、覚悟をもってほめ言葉を伝え続けましょう。その先には、子どもたちの成長が必ず見えてきます。
≪当たり前のことをほめる≫
「当たり前のことを当たり前にやることが一番難しい」とよく言われますが、そのわりには、当たり前のことをほめる先生は少ないのではないでしょうか。
代表的な「当たり前のこと」には、「挨拶」「お礼」「お辞儀」などがあります。挨拶やお礼をしない場合に怒られることはあっても、ちゃんとしたからといってほめることは少ないのではないでしょうか。
「いい挨拶だね。先生も元気が出たよ。」「元気がいい挨拶だ。今日もがんばろうね。」などとほめ言葉を伝えると、子どもたちもうれしくないはずはありません。しかも、朝一番でほめるチャンスでもあります。
「当たり前に見えて、できていないと気になること」を探してみると、ほめるポイントはいくらでもみつかると思います。
≪目立たない子どもをほめよう≫
活発な子どもや、成果をあげている子どもは目につきやすく、周りからもほめられることが多いでしょう。極端に言えば、そのような子どもは、常にだれかからほめられ認められているのでしょう。だから、ある程度のモチベーションも維持できるのでしょう。
逆に、あまり目立たない子ども、真面目に努力しているのだけれどアピールできない子どもはほめられる回数が少ないのではないでしょうか。
「あなたが、いつも当番活動を最後までしてくれているから、みんなも安心して生活できるよ」といったように、見えないところに価値を見出し、そこをほめることが大切です。
このようなほめ方をするためには、「バランスよくほめる」ということを意図的に考えておく必要があります。思いつきだけでほめないことです。思いつきでほめていると、必ずかたよってしまいます。
3学期ですので、これまではもしかしたらあまりほめることができなかった「目立たない子ども」に注目して、全員バランスよくほめてあげていただけたら、と思います。
参考 ほめ言葉手帳 2020 菊池省三監修 明治図書出版株式会社