ほめ言葉手帳

 前回に引き続き、ほめ言葉手帳より。教室にほめ言葉をあふれさせてください!

 

≪伸び悩んでいる子どもをほめよう≫

 

教室の中には、伸び悩んでいる子どももいるでしょう。真面目に努力しているのに伸び悩み、成果が思うように出せていない子どももいると思います。そんな子どもをどうほめればいいのでしょうか。

結論は、「伸び悩んでいること」事体を肯定的に評価してほめることです。「努力する限り、人間は迷うものだ」というゲーテに言葉があります。このような言葉を示しながら、「君のいいところは努力するところ、努力する限り、必ず伸びるよ」と言葉をかけてあげたいものです。

  悩むのは、「もっと成長したい」という意欲が強いからです。一方で、伸びない自分を見て自信を無くす子どももいます。 

  ほめるとは、失いかけた自信を本人に取り戻させるためのコミュニケーションでもあるのです。

 

≪ほめることができないと、叱ることもできないことを知ろう≫

 

 「ほめる」「叱る」を二項対立でとらえる方がいます。ほめるも叱るも目的は相手を伸ばすことであり、成長を促すコミュニケーションです。

  そのためには、基本的には相手の長所や取り柄に目を向け、その向上を図ることが必要になってきます。 

  人間には、長所と短所があります。私は、短所は長所と表裏一体だと考えています。「変わった子」は「ユニークな子」であり、扱いにくいのはこちらの指導に問題があるともいえると考えるのです。

  叱るのは、相手の短所や欠点を責めたてるのではなく、相手の長所を伸ばすためです。相手の短所をも長所とみなして、それを伸ばそうとする「ほめるコミュニケーション」ができてこそ、「叱るコミュニケーション」も可能になると思います。

 

●価値語録

 

「もうだめだは、まだ大丈夫」  子どもたちは、少しの困難に出会うと、すぐに「もうだめ」「無理」と諦めてしまいます。本当に無理ならそんな言葉を言う余裕すらありません。だから、「まだ大丈夫」と伝えましょう。

 

「見えない力を伸ばす」    学力はテストの点数などで見えますが、思いやりや我慢強さなどの心の力は目には見えません。そのような「見えない力」を伸ばしていきましょう。

 

「嫌いをつくらない」    「雨の日は嫌い」「国語は苦手」などと口に出して、嫌いと決めつけていませんか。「雨の日は部屋でのんびり過ごそう」「国語辞典って意外とおもしろい」見方を変えると嫌いが好きに変わってきます。

 

「行動することから、価値が生まれる」  自分のこと、学級のことをしっかり考えて意見を書ける子は学級の宝です。そして書くことだけでなく、勇気を出して少しでも行動に移すことで宝が輝き、本当の価値が生まれてきます。

 

「丁寧さは人となり」  誰に見られるわけでもない。しかしひたすらに丁寧にそして継続する、この根気と手を抜かない姿勢こそもちたい人柄です。

 

参考文献 ほめ言葉手帳2020 菊池省三監修 明治図書出版