今回も参考文献は鍵山秀三郎著「人間を磨く言葉」です。
心に蓄えておきたい言葉とそれにまつわる鍵山氏の話が、ぎゅっと詰められていてどれも紹介したくなってしまいます。
ほめることは大切です。
だが、もっと大切なことは、
ほめることが出てくるように、
ほめる種を播いていくことです。
大村はま(元中学校教諭・国語教育の実践者)
過日、愛知県豊田市の小学校で「掃除に学ぶ会」が開催されました。
約2時間半、学校内のトイレ掃除をした後の体験発表会。
小学校6年生の生徒が、次のような発表をしてくれました。
「ぼくはいままで、一回も人にほめられたことがありませんでした。今日は学校のトイレを磨いてきれいにしたら、すごくほめられました。とても嬉しかったです」
人はだれでも、ほめられると嬉しいものでせす。発表してくれた子どもの顔は、晴れ晴れしく自身に満ち溢れた表情をしていました。
ところが、ほめることが大切なこととはわかっていても、現実にほめようのない人がいないわけではありません。だからといって、簡単に見捨ててはいけません。
そういう人にこそ、ほめる種まきとしてのトイレ掃除が有効です。
私の経験上、かなり手ごわい生徒や社員でも、トイレ掃除をすると1時間もしないうちに例外なく夢中になります。きれに磨いた便器をほめますと、こぼれるような笑顔で喜んでくれます。
ほめる種まきとしてのトイレ掃除、自信をもってお勧めします。
☆zekkoutyou
鍵山氏は創業以来続けている「掃除」に多くの人が共鳴し、掃除運動を広めていることで有名な方ですので、ここではトイレ掃除を勧められています。
今はコロナ禍でトイレ掃除を児童にさせるのが難しくなっている現状があります。
大村はま先生は、教育の現場でありとあらゆる場面に目を向けて、子どもたちをほめる種を播いておられたのだろうなと思います。ぜひまねしていきたいですね。