「策略プレミアム ブラック保護者・職員室対応術」

1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、といいますが、本当にそうだなあとこの時期になると感じます。

3学期は、1年間をまとめる時期です。子どもたちに、どんな勉強をしてきたかを思い出させ、自分でよくできたなあと思うものと苦手だったと思うものとを選ばせます。そして苦手だったと思うものは復習しておくように伝えましょう。多くの子が苦手とあげたものは、学級で復習に取り組むのもよいでしょう。また、2年生が生活科の学習で取り組んでいるように、1年前の自分と今の自分を比べて、成長ふりかえるのも、まとめの時期にぴったりです。人と比べるのではなく、昨日の自分と比べる。そんな子どもに育てていきたいですね!

 今回の参考文献は、2学期にも紹介した中村健一先生の「策略プレミアム ブラック保護者・職員室対応術」です。

 

「1年間、クラスを壊すことなく、自分が壊れることもなく、平穏無事に過ごせれば、それだけで幸せなことだ。」

 心からそう思う。教師は誠実である。誠実だから教師になったのだ。誠実でない人は教師には向かない。我々教師は、誠実であるという特性を誇るべきである。しかし、

 「誠実さだけでは、厳しい現場は勝ち抜けない。誠実さや熱意なんてキレイごとだけではだめなのだ。」

 「厳しい現場を生き抜くために黒くなれ!

 

 ≪影響力のある保護者はひいきせよ≫

 ・どの子も平等になんて、キレイごとばかりは言っていられない。どの子に力を入れれば学級が成り立つのか?策略を持つことは大切だ。

 ・それと同じで、影響力のある保護者は味方にしないとマズイ。

 ・特別な保護者への特別な対応は「全体」のためなのだ。教室のリーダーである教師は「全体」が利益を得られるように、「一部」に特別な配慮をするという「策略」を選択するのはアリ。

 ≪最初に好かれれば、あとは勝手に良い風に解釈してくれる≫

 ・教師は絶対に、保護者のことを嫌いになってはいけない。自分のことを嫌いな人間のことは、好きになれないもの。教師が保護者を嫌えば、必ず保護者も教師を嫌いになる。馬が合おうが合うまいが、プロ意識をもって、すべての保護者を好きになるようする。

 ≪苦情はチャンスだと喜べ≫

 ・誰しも苦情を受けるのはいやだろう。しかし、うまく対応できれば、信頼が上がる。苦情はチャンスだと思うべきだ。

 話をしっかり聞く。   共感的に。話し終えるまでしっかり聞き続ける。

  1. 対応策を説明、相談、確認する。 どう対応しようと思うのか説明して、保護者の意見を聞く。保護者の意見を取り入れて対応策を決めたら、繰り返し言って、確認し、「これでよろしいですか?」と許可を得る。

  2. 実際に子どもに対応した後、必ず報告の電話をする。(最重要!)  昨日の電話の御礼を言ってから、話す。「子どもなので、また同じことを繰り返すかもしれません。その時には、またお電話いただけると助かります。」と言っておく。電話を切る前に「今回は本当に申し訳ありませんでした。お電話本当にありがとうございました。」と謝罪と感謝をいう。この報告が、信頼を勝ち得るポイント。

 え、ひいきせよ?・・など最初からちょっとびっくりする内容ですが、たしかに「全体の利益が得られるために策略が必要」です!

 

 

参考文献 策略プレミアム ブラック保護者・職員室対応術 中村健一著 明治図書