「そのクレームうまい教師はこう返す!」

今日の参考文献は、「そのクレームうまい教師はこう返す!」 中嶋郁雄著 学陽書房です。

見開きで1つの事例について、対応の仕方が紹介されており、右ページにはイラストで、悪い例、よい例が示されています。わかりやすい。すぐまねできます。

 今回は、「クレームを生まない保護者対応の基本」の中から2つ引用します。

受け入れる姿勢で聞く

◆身勝手な話は否定しがちに

 特に、苦情や相談に来る保護の中には、我が子が中心で周りが見えていないと感じるものが少なくありません。そういうときに、保護者の話の大方を受け流したり否定したりしながら聞くようになってしまっていませんか?

◎共感の一言で相手が変わる

「自分の話を否定的に聞いている」と感じれば感じるほど「自分の気持ちをわかってほしい」と強く思うものです。確かに中には自分勝手でわがままなことを言ってくる保護者のいます。しかし、話の中には「そうだな」と思う部分も必ずあるはず。「その気持ちわかります」という一言が、保護者との距離を縮め、話し合いを円滑に進めることにつながります。

●これは絶対やめておこう

 共感の一言が大切だからといって、本当に納得できないことや、他の人を否定するような話には頷いてはいけません。教師として、子どもを思う親の気持ちに「その通り」と心から共感できる感性を養うようにしましょう。

 

安心感を与える

◆保護者の勇気を無駄にしない

 教師に相談したり苦言を呈したりすることは、保護者にとって勇気がいることです。勇気をふりしぼって自分の思いを伝えてくれた保護者に、「先生に言ってよかった」と思ってもらえるようにしたいものです。「先生に任せておけば大丈夫」と、安心してもらえるような対応を心がけなくてはなりません。

◎「Yes」「No」を明確にする

 教師に意見を言ってきた親を安心させるためには、「誠実に対応すること」しかありません。子どものために、学校や教師ができることは「できる」、無理なことは「できない」とはっきりした方針を伝えることです。もちろん、伝え方には十分な配慮が必要です。そして、「できる」と答えたことには全力で取り組む姿勢を見せなくてはなりません。

●さらにこんなやり方も

 自分の経験や力量を考えずに、なんでもかんでも一人でやろうとするのは軽率です。「ちょっとややこしそうだな」と感じたら、学年主任や管理職に相談することを忘れずに。学年や学校で取り組む姿勢に保護者はさらに安心するものです。

 

☆zekkoutyou

 ◆身勝手な話は否定しがちに・・のところ、自分のこれまでを思い返してもこういうことあるなあと耳の痛い思いでした・・。

 引用した事例は、「受け入れ、安心感を与える」ものです。クレームへの対応の基本はここにあるかと思います。はじめにこれができていると、スムーズな解決につながるのではないでしょうか。