今回も「そのクレームうまい教師はこう返す!」中嶋郁雄著 学陽書房から
「クレームが来たら!こじらせない対応のポイント」より紹介します。
ケガ対応への苦情が来たら
◆小さなケガでも苦情が来る時代
擦り傷や切り傷、打撲や突き指なと、子どもにケガはつきものです。消毒したりシップを貼って対応するこも多いもの。それにも関わらず、下校後に「どうしてケガをした?」と、苦情を言ってくる保護者がいます。
◎説明できるようにする
保護者からケガに関して苦情が来たら、〈ケガをした状況・子どもの様子・処置の方法〉などをできる限り詳しく説明できなくてはなりません。教師が詳細を把握し説明することで保護者は納得するのです。「なんでもかんでも保健室」ということには賛成できませんが、神経質な保護者の子どもは、一応保健室で養護の先生に「大丈夫」と言ってもらうなどして、連携して対応しましょう。
◎親の気持ちになる
ケガ対応で苦情が来るのは、教師と保護者の受け取り方の落差です。担任にとって「たいしたことない」ケガでも、親にとっては「心配」です。たとえ小さなケガでも、励ましたりなぐさめたりして痛みを理解してあげることです。親の立場になって子どもに対するようにすれば、保護者からの苦情が来ることはまずありません。
●さらにこんなやり方も!
保護者会や通信などで「小さなケガも大切な学びの場」ということを伝えて啓発していくことが必要です。どれくらいの痛みでどう対処するのかを、子どものうちから徐々に学ばせなくてはいけません。
宿題の量についてのクレーム
◆人によって感じ方は異なる
「先生、もっと宿題を出してください。」
「先生、宿題の量が多すぎるんじゃないですか?」
担任をしていると保護者から相反するこんな要望が出ます。こっち立てればあっち立たずで、どう対応すればいいか困ってしまいます。
◎保護者の意見に揺れない
相反する意見が出たときは「動かない」のが最善策です。よほどのことがない限り、それまでのやり方を変えてはいけません。どちらかの意見に傾くと、大変な混乱を招くからです。
「宿題については、担任としての私の考えでやらせていただきます」と堂々と伝えることです。
◎持論をしっかり整理
保護者を納得させるためには、教師として「宿題論」が必要です。私は子どもや親に「宿題は、自分の怠け心と闘うためにある」と伝えています。遊びたい気持ちに打ち克って机に向かうことに、宿題の意味はあると考えています。
宿題の量は、子どもや保護者の感じ方や事情によって受け止め方は様々です。だからこそ、すべての子や親に納得させることのできる「宿題論」を身に付けておく必要があるのです。
●さらにこんなやり方も!
宿題を出すとき、全員がやることができるかどうかを把握しておかなくてはなりません。「やり方がわからない」というものを宿題にすると、親を不安にさせることになります。宿題は、時間をかけさえすればできるものにするべきです。
☆zekkoutyou
様々なクレームの中から本校でよく耳にするものを選んでみました。
他には生活指導、学級経営、学習指導、連絡が伝わっていない、子どもの友達を批判する保護者には、厳しく叱った後 のクレーム対応が紹介されています。
クレーム対応の章の前に「先手を打つ!トラブル対応のポイント」の章があるのですが、つくづく、「先手必勝」だと思います。
このようなクレームがありうることを知り、未然防止に努める。そのためには、書籍に触れたり、先輩・同僚との情報交換に努めたりすることが有効です。