今回の参考文献は前回に続き「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」島村華子著 ディスカバー・トゥエンティワン発行 です。
≪ほめるときの3つのポイント≫
1 成果よりも、プロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
2 もっと具体的にほめる
3 もっと質問する
- もっと具体的にほめる
「すごいね」と言われても具体的な理由なしには、自分の優れているところ、また努力が必要なところがわかりにくいものです。具体的なフィードバックをもらった場合のほうが、次のパフォーマンスに向けてモチベーションが自然と上がります。「上手」「よくできました」と大人の評価を押し付けることは避け、見たまま(色、形、数など)を具体的に表現してみるのです。
例)おもちゃのレゴをつくって見せにきたとき
○たくさんの色を組み合わせたら、カラフルになったね
○ここには違う色を使ってみたんだね
- もっと質問する
ほめる言葉を伝えるだけでなく、どんどん質問しましょう。大切なのは、子ども自身がどう感じたか、どう思ったかということであり、親がどう思うかはそれほど重要ではありません。
質問をするときは、「楽しかった?」など「はい」「いいえ」で答えられる質問は避けることが重要です。
○「どういうものをつくったのか教えてくれる?」
○「今日、お友達と一緒にいて、一番たのしいことは何だった?どうしてそう思うの?」
≪むやみやたらとコメントしない≫
3つのポイントのほかにも気をつけること。
ほめるというのは、多くの場合、評価が伴います。大人は、子どもに何も言わないと心地が悪かったり、なぜか罪悪感を覚えたりすることもあり、「すごいね」「上手」と言ってしまいがちです。
しかし、本来子どもが求めているのは、評価ではなく、何かを達成したとき、新しいことを発見したとき、うれしいことがあったときに、大好きな両親や先生とそれを共有することなのです。喜び・興奮・驚きなどといった感情を、大切な人と一緒にわかちあうことで、自分の居場所があるという感覚が生まれ、幸せな気持ちになるのです。ときにはうなづくだけでもいいし、抱きしめたり、笑顔を返したりする、それだけでもいいのです。
もちろん、本当にすごいと思ったら「すごい!」もOKです。子どもの行動や発言に素直に驚いたり、心から感心したりするときは抑える必要はありません。「そんな考えがあるんだね!感心しちゃったよ!」と本音で声をかけてあげてください。