「パンダ先生の心理学図鑑」2

「パンダ先生の心理学図鑑」 ポーポープロダクション著 (PHP研究所)続きます。

 

自尊感情

誰でも、自分には価値があり、他人に劣っていないという気持ちがある。この感情は自尊感情と呼ばれている。自尊感情が高い人は、自分に価値があることを知っているので、他人の評価に左右されず、他人に何を言われても寛大に対処できる。ところが、自尊感情が低い人、たとえば自慢ばかりする人は、誰かに価値があるといってもらわないと自分を認められない。

 

自尊感情をあげる方法があるよ。それにはまず自分の否定的な部分、弱いところを受容(ありのままに受け止める)して、前向きに取り組んでいくことが大事。自分の可能性を信じること、他人からの評価を気にしないことも必要だね。目標を作り、達成したときに、自分をほめてあげることで自尊感情は作られていく。大きな目標ではなく、小さな目標をたくさん作るのがポイント。また、人は何かができるから価値があるわけではないよ。がんばった自分に「ありがとう」と声を出して言ってみよう。

 

〈役割効果〉

学校で結構いい加減だった生徒が、学級委員になったとたん仕事をするようになったり、責任感が弱かった人が、会社で役職につくと責任感が出てくるといった不思議なことが起こる。人は地位や役割を与えられると、その地位や役割に相応しいように、自分の性格や行動を変化させてしまう心理が働く。

 

これを役割効果と呼び、役割が人の考えや行動を変化させてしまうのである。最初は役割らしい人間を「演じて」いても、いつの間にか、役割に相応しい人間に「成長する」傾向がある。

 

役割効果は、心理効果の中でもなかなか強い効果なんだ。会社の上司は責任感を育てたい社員がいた場合は、責任感が出てから役割を与えるのではなく、先に役割を与えてしまうことで、責任感を育てるという方法があるよ。

 

☆zekkoutyou

役割効果、ここでは会社を例にとっていますが、学校でも有効です。

また、やる気が見えない子どもがいたときにも「もしかして、ここでは、その役割を演じているのでは」と考えてあげることもできます。

私の学級でも普段、実験や実習などに積極的に参加しない子どもたちが集まって一つの班になったとき、がぜん張り切るという場面によくであいました。