今日の本は「新卒教師時代を生き抜く心得術60~やんちゃを味方にする日々の戦略~」 野中信行著 明治図書 です。
ブレイク:失敗から学ぶ
「ブロークン・ウインドウ理論」に出会って
同僚の先生から、
「床がすごく汚いですよ。全然ワックスをかけてなかったでしょう」
と指摘された。
私が今まで担当していたクラスに新しく入る先生である。
整理整頓が苦手であった。
でも
「授業をきちんとやっておけば教室環境などはたいしたことではない」
と密かにそう思っていた。
そこへ一人の先生が転任してきた。
学校の先生とも同調せず、自由気ままに行動する人だった。
教室をのぞくと、もう足の踏み場もないほどにちらかっていた。
それでもその先生は、平気であった。
「先生、これ片付けないのですか」
と問うと、先生は
「いや、子どもが汚いと感じたならば自分たちで片付け始めますよ。それまで放っておくのです」
と答えた。
しかし、子どもたちが、片付け始めることはなかった。
そのクラスは1年間落ち着きがなく、「群れ」の状態のままで終わってしまった。
この時気づいたことは、決して子どもたちは教師が促さなければ、自分から行動するようにはならないという事実である。
子どもたちの主体性とか、自主性とかは絵空事であると思った。
私はおおいに反省して、それから教室環境に気づかうようになった。
そして「ブロークン・ウインドウ理論」に出会う。
この理論の教えるところは、
「人は身の回りの些細なことに影響を受けやすいものなので、まずは身の周りの小さなことに気を配らなければならない」
ということである。
これ以来、私は、教室をこざっぱりと整えていくことを習慣にするようになった。
☆zekkoutyou
「教育というのはそのままにしておかないこと」と野口芳宏先生はおっしゃていました。
ここで登場する自由きままな先生が、本当に
「自分たちで気づいて、片付ける子に育てたい!」
と思っていたのなら、そのように育てることができたのではないかと思います。
教室環境、整えていきましょう!新年ですし!