「先生と生徒の心をつなぐNLP理論 子どもの夢を育むために」⑤

「先生と生徒の心をつなぐNLP理論 子どもの夢を育むために」から。続きです。

 

≪永久言語と一時的言語≫

〇否定的な行動には一時的言語を

 

「永久言語」と「一時的言語」をご存じでしょうか?

永久言語は「いつも」や「毎回」など、いつまでも続いていることを暗に示した言葉です。

一時的言語は、その反対に、「今日は」や「今回は」など、何かを限定している言葉のことです。

これらを意識してしっかりと使いわけることが子どもと接するときにとても重要なことなのです。

 

例えば叱るとき。

「どうしてあなた”いつも”こんな悪いことばかりするの!」

と怒ってしまうことはありませんか?

この「いつも」が永久言語です。

叱るときに永久言語を使うと「いつも悪いことばかりする」という2つの言葉が結びついて子どもにインプットされてしまいます。

そして

「僕はいつも悪いことをする子なんだ」

と自信を失ったり、

「昨日はいい子だったのに」

といいことをしたときのこともすべて否定された気持ちになることもあるのです。

子どもを叱る場合には、ぜひ、一時的言語を使ってください。

「今日のあなたは、こんな悪いことをどうしてしたの?」

いつものAくんと、今日悪いことをしたAくんを切り離してあげる必要があります。

「今日はどうしたの?」

と問いかけてあげることで

「いつものAくんを認めているよ」「いつものAくんと違うね」

というメッセージが伝わって安心して話すことができます。

 

逆に褒めるときには永久言語を使いましょう。

「今日はお手伝いをしてくれてありがとう」

というと「今日は」で期間を限定してしまうことになります。

永久言語を使って、

「今日もお手伝いをしてくれてありがとう」

というと、「昨日も、明日も、」と言う意味が暗に示されていて、「お手伝いする」という望ましい状態がさらに強化されていきます。

永久言語と一時言語は先生方の声掛けの中で、意識して使っていただくと、子どもたちの様子がどんどん変わってきます。

・・・

否定的な行動に対しては、一時的言語を使って声掛けをして、負の行動がプログラミングされるのを防ぎます。

肯定的な行動に対しては、永久言語を使って声掛けをして、その行動がプログラミンンぐされるのをサポートしていきます。

ぜひ、先生方には覚えていただきたい言葉の使い方です。

 

☆zekkoutyou

一時的言語と永久言語については、

オプティミストはなぜ成功するか」マーティン・セリグマン著

で知っていました。

この本では、例えばスポーツで素晴らしい成績を残しているチーム等について、

良い時には、「永久的」

悪い時には、「一時的」な言語を使っていると紹介されていました。

本当に、「ぜひ先生方には覚えていただきたい言葉」だと思います。