斉藤隆著 東洋経済新報社からの引用です。
以下引用
《褒められれば人は変わる》
ある地方で中学校の教師をしている私のかつての教え子から聞いた話です。
赴任した中学校はやや荒れ気味でいわゆる不良と呼ばれるような生徒も少なくなかったそうです。
でもある出来事から、そのうちの1人の生徒が変わったと言うのです。
発端は、私の教え子が担当する書道の時間でした。その生徒の作品が意外に良い。
全体としてはそれほどでもないのですが、ごく1部分だけ、実によく書けている箇所があったらしい。
そこで私の教え子は、その部分に手筆で丸をつけ、教室の全員に見せながら、こう呼びかけたそうです。
「みんな、こういう書き方がいいんだ。これをお手本にしよう」
普段叱られてばかりの生徒にとっては、さぞかしおもはゆい時間だったでしょう。
後日、くだんの生徒の母親から電話がかかってきたそうです。
何事かと心配しながら受話器をとると、母親の声が弾んでいる。
「先生ありがとうございます。うちの子が、書道教室に通いたいと言い出したんです」
私たちはこの話を聞いて、
「書道習っている子を、もう不良とは呼べないなぁ」と笑い合いました。
「なんとなく」褒めるのではなく「ピンポイント」で褒めたので、スペシャル感が出たのでしょう。
人を褒めることがどれほど力を持つのか、改めて学んだと言っていました。
☆zekkoutyou
「北風と太陽」の話は、本当だとつくづく思います。
心から褒めることで相手にあたえられるパワーを、侮ってはいけませんね。