「脳を活かす勉強法」

茂木健一郎著 PHP からの引用です。

 

≪「喜び」がないと強化回路が回らない≫

 

「勉強しなくちゃだめでしょ」

「何してるの!そんなぐずぐずして・・」

こんな言葉を言われたこと(もしくは言ったこと)はありませんか?

親や先生にこう言われて勉強している子どもに、ドーパミンによる回路の強化は期待できません。

しかたなく、いやいや勉強しているだけだからです。

勉強がうまくいかず成績が上がらない子どもは、たいていこの「強化学習のサイクル」が成立していません。

そもそも、脳の働きの本質は「自発性」です。

脳に何かを強制することはとても難しいのです。

脳はポジティブな期待やほめられた体験を、とてもよいものとして受け止めます。

だからこそ、「教育過程においては基本的に、ほめることが大切」と言われているわけです。

子どもを叱ったからといって、勉強するようになることはまずありません。

叱られた人間の脳はやる気をなくしてしまうのです。

もともと人間のモチベーション(やる気)というのは、その人の好きなことや、人からほめられた経験、人から認められるといったポジティブなものからしか絶対に生まれません。

いわゆる「ほめて伸ばす」という教育法は、強化学習の観点から見れば正しいやり方といえるでしょう。

もし叱るなら、そのやる気を軌道修正するときだけにしてください。

行動自体を否定する叱り方は、子どものやる気をそいでしまうからです。

これは子どもだけでなく、社会人にも同じことが言えるでしょう。

なぜなら、脳が喜びを感じるためには「強制されたものではない」ということが大事だからです。

何をするにしても「自分が選んでいる」という感覚こそが、強化学習に欠かせません。

部下や子どもの主体性を引き出すためには、どんな小さいことでもいいから自発的にやったことで「成功体験」を持たせることが大切。

成功体験なしには、脳は変わってくれないのです。

 

☆zekkoutyou

先生方にはもちろん、保護者の方にも即、教えてあげたい内容です。

「ほめて伸ばす」・・という言葉を聞いたことはあっても、その裏付けとしてこのような脳の機能を知っている人は少ないのではないでしょうか。

脳が喜びを感じるためには「強制されたものではない」ということが大事

ということを知った上で、強化回路を回していきたいです。