小倉広著 日経BP出版からの引用です。
≪5 感情を使って人を動かすのをやめる≫
「つい感情的になって」は嘘
「ついカッとなって大きな声を出してしまった」・・・
理性ではコントロールのできない感情に突き動かされてしまい「無意識」に大声を出してしまった。
そう考える人がほとんどではないでしょうか。
果たしてそれは本当なのでしょうか?
アドラー心理学ではそれを「みかけの因果律」と呼び、言い訳であると断じます。
人は感情に突き動かされているのではなく、感情を作り出し、それを道具として「使用」しているのだ、と考えるのです。
「ついカッとなって大きな声を出した」のではなく
「相手を自分の思う通りに動かしたい」という「目的」が先にあり、そのために怒りという感情を自ら作り出し、道具として使用した。
アドラー心理学では、これを「使用の心理学」と呼びます。
そしてあらゆる言動には目的がある、という考え方を[「目的論」と読んでいます。
それだけではありません。
アドラー心理学では意識と無意識が矛盾し葛藤する、というフロイト的な「分割論」をも否定でいます。
そして意識と無意識は1つである。
車のアクセルとブレーキは相反する動きをしているように見えるが、互いに助け合って1つの同じ目的地にたどり着いている。
つまり、それらは1つであるという「全体論」を唱えました。
このように考えると、私たちが感情を作りだし、使用することで相手を動かそうとするのは、強引でわがままであることがわかります。
「感情を使って人を動かすのは赤ちゃんの名残」
「感情に感情でかえさない」
☆zekkoutyou
カッとして大声を出す人等に出会ったとき、このことを知っていると、少し強くなれる気がしています。
「あなたは、その方法でこちらを動かそうとしている、強引でわがままだ」と思えれば、少し冷静でいられそうです。
もちろん、自分がカッとなるときにも・・・・。