「アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学」⑧
小倉広著 日経BP出版社からの引用です。
≪”吸血鬼”をやめて”献血家”になる≫
●「自分させていただく」幸せ
私が尊敬し、多くのことを学ばせていただいていた経営者の方にカー用品販売イエローハットの創業者である鍵山秀三郎先生がいます。
先生は以下のようの言葉をよく口にされています。
「人の幸せは3つあります。
人にしてもらう幸せ。
自分でできる幸せ。
そして、させていただく幸せです」と。
一つ目と2つ目はまだまだ利己の世界です。
自分が良ければよい。そのレベルです。
しかし、3つ目だけは違います。
させていただく幸せ。
つまりは利他の心です。
先の2つとは明らかにレベルが違うのです。
そして、3つ目の幸せに築いて初めて、人は心の平穏を手に入れ、社会と調和しながら生きえていくことができると、鍵山先生は説いていらっしゃいます。
この言葉は、鍵山先生が尊敬してやまないという西郷隆盛の次の言葉とも重なります。
「得は得ではない。損は損ではない。」
つまりこういうことです。
「利己は得ではない。利他は損ではない。」
させていただく幸せ。共同体感覚。利他の心。
これをなくして、うわべのテクニックをいくら身に付けてもコミュニケーションは決してうまくはいかないでしょう。
身に付けるべき考え方の7つ目のキーワードです。
●利己は利他の仮面をかぶってやってくる
●あなたから始めよ
「相手に貢献すること」
「まずはあなたから始めよ」
この考え方はアドラー心理学の中核をなす共同体感覚そのものです。
そしてそれは同時に「させていただく幸せ」そのものでもあります。
そしてこれこそがコミュニケーションに必要な大前提。
相手への貢献から始める共同体感覚こそが、適切な距離を保つ良質なコミュニケーションの条件であると言えるのではないでしょうか。
☆zekkoutyou
まずは、自分から!