アドラー心理学に学ぶ「勇気づけ」実践ガイド③

佐藤丈 著 明治図書 が参考文献です。

 

≪共感≫

 

「相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じる」

これこそアドラーの「共感」の定義。

 

勇気づけの基本は「共感」

自分の気持ちをわかってもらえたというだけで、大きな勇気づけとなる場合がある。

 

例)テストで30点をとり、答案を丸めてしまった子がいた場合

 

「今回のテスト、くやしかったみたいだね」

「うん」

「30点、どこができていた」

「最初の計算問題」

「計算はできたんだ」

「うん」

「どうしてできたの?」

「だって、宿題でドリルをしていたから」

「そうだよね、ドリル、ちゃんとやっていたもんね。計算はよくわかった?」

「はい、わかりました」

「本当は、もっととりたかったよね」

「はい60点は」

「お、60点、次はとれるといいね。どうする?」

「文章問題も、少しはできるようにする」

「それはいいね。文章問題はどうしたらできるの」

「聞かれていることに線をひく」

「なんだ、大事なことわかっているんだね」

「はい、次はがんばります」

「何かわからないことがあったら何でも言ってくださいね」

 

・・・・

この会話の中で教師は一度も子どもをほめていません。

もちろん叱ってもいません。

できていることや過程に注目して、困難を乗り越えるよう勇気づけています。

もちろん、このようにうまくいきことはまれでしょう。

しかし「お手本」を自分のものにしておくことで、いつでも自分の指導を振り返ることができます。

そして自分自身も勇気づけていくのです。

★zekkoutyou

ほめも叱りもせず、勇気づける。

難しいので、このように「手本」があるとありがたいです。