田中茂樹著 ダイヤモンド社 から引用
≪なぜ「怒る」はダメで「叱る」がよいのか?≫
子どもが何か望ましくないことをした場合に「怒る」という反応は、親が混乱している自分をそのまま出してしまっている状態と言えます。
「こわい」「困った」「つらい」などの感情が、言葉だけでなく、声の大きさや、表情などで表されています。
一方で、「叱る」というのは良い意味で感情が入っていません。
「あなたのしたことの、ここがこういうふうによくなかったのよ。その理由はこうだからよ」
そうやって冷静に伝えるということです。
ではなぜ叱るほうが望ましいのでしょうか。
伝えたいことがしっかり伝わるというのはもちろんです。
それ以外に、「暴力を否定する姿勢を子どもに伝えることができる」と言う点があります。
怒って感情に任せて、怒鳴って、小突いて、相手に言うことを聞かる。
親はそれほどとは思っていなくても、子どもにしてみれば脅威です。
親がきづいていないうちに子どもが深く傷ついてしまうことがあります。
また、そのようなコミュニケーションの方法を受け入れてしまう危険があります。
相手にそういうことをする危険もありますし、そうしなくても、暴力的にいうことを聞かせようとする相手に屈してしまいやすくもなるでしょう。
そのような「交渉」を受けいれてしまうからです。
また、繊細な優しいこの場合だと、教室で他の子が怒鳴られているとき、つまり、他人が「叱られている」のではなく「怒られている」のを聞いていただけで、傷ついてしまうこともあります。
子どもが望ましくないことをしたときは、混乱して感情を吐き出してしまうのではなく、勇気をもって現実に向き合って、いわば、ちゃんと「困って」きちんと叱りましょう。
これはピンチではなく、貴重なチャンスだと思って。
おびえて怒鳴って混乱する(=怒る)姿ではなく、
冷静にかっこよく問題に向き合う(=叱る)姿を子どもに示すことができます。
それは、こどもがこの先、学校や社会で周囲の人との関係において、困ったときにどうふるまうべきか、その大切な手本を示していることになるのだと意識して。
これは、とても贅沢な育児だと私は思っています。
★zekkoutyou
この「怒る」はダメで「叱る」のがいい、というのはよく聞く言葉だと思います。
でも「なぜ?」と言ったら答えに窮してしまう。
私も、「声を荒げることも暴力」と思っているので、
「暴力を否定する姿勢を子どもに伝えることができる」と言う点をしっかり意識したいと思いました。