教師の作法 指導
野口芳宏著 さくら社 参考文献
●クラス全員に意見を言わせる方法
子どもの理解度を知る「診察」のカギは「発問」です。
しかし練り上げられた発問を用意しても、授業時間内に全員に意見を言わせることは不可能ですし、なかなか口を開かない子どもや、授業自体に参加しようとしない子どももいます。
子どもが教師の方を向かなければ「診察」はできません。
そんな時、私がよく行うのが「二択方式」または「○×方式」です。
できるだけ単純な問いかけを行い「〇と思うか、×と思うか、ノートに書いてごらん」と指示します。
作業時間は1分もいりません。
全員が「自分の立場」を決めることになりますから、子どもは自分の選択が正しいのかどうか気になり、次第に授業に集中し始めます。
さらにこれを発展させた指示が「なぜそう思うのか、ズバリと一言で書いてみよう」という方法です。
たった一言なら子どもはなんとか書く気になれます。
また、簡単な答えほど考え方の違いがはっきりと表れますから、教師は一目で子どもの理解度を推し量ることができます。
さらに書かせている間に机間巡視を行い、必要に応じて声掛けをしながらさりげなく子どもの答えをチェックし、それぞれの子どもの状態を「診察」していくのです。
この「診察」によって理解度はもちろん、個性的な意見や対立する考え方など、さまざまな材料を発見することができます。
★zekkoutyou
この「二択方式」 「○×方式」 「一言で書く」 はすぐにまねできます。
そして効果を実感できます。
まずはやってみることをおすすめします。