西川純著 学陽書房 からの引用
クラスがみるみるまとまる授業のルール
授業に集中させる効果的な方法
◇近くの人と相談させよう
子どもの集中が途切れた時は、授業中に子どもたちに考えさせる課題を与え、「近くの人と相談してみて」と言って数分時間を与える。
子ども同士が話し合えば互いの理解は深まるし、第一、話し合うことによって気分がリフレッシュできる。
非常に簡単だが、有効な方法。
例
「この前、集気びんの中でろうそくを燃やしたよね。ろうそくの火が消えたあと、ビンの中の空気はどうなったでしょう。次の中から考えてください。」と発問し、黒板に①・・②・・・と板書。
1分間沈黙したあとに
「じゃ、自分の意見は固まったかな?そしたら近くの人と話しあってみてください」
このような場合、「隣の人」と言いがちですが、「近くの人」と言う。
その方が子どもたちはいろいろな人と話せる。
隣り合った2人が後ろを向いて4人で話し合うこともできる。
教師が指名して全員の前で発表させると、モジモジしてしまう子も、近くの子どもとなら率直に自分の考えを言いやすくなる。
話しあう時間は3分程度で十分。もしくはざわめきを聞く。
おそらく最初は小さいが、盛り上がってくると大きなざわめきになる。しかし、だいたいの結論が決まり始めるとざわめきが急速に小さくなる。そこで話を切る。
このように子どもに話させた後、たいていは「ではどんなことを話しあったかな?じゃあ、〇〇さん」のように発問するが、これは効率が悪い。結局教師は、一定の結論に結びつけるはずだから。
結局、結論に結び付けたいのだったら、以下のように語る。
「みんなはいろいろなことを話しあったと思います。正解は、空気の量はかわらない、です。しかし、それを当てたか否かが大事なのではありません。重要なのは、なぜ、そう思ったかです。改めて、どういう理屈だと、みんなが空気の量が変わらないと納得できるかを近くの人と話しあってください」
こうすれば、子ども達は誰が正解で、誰が間違っていたかに意識が集中することなく、正解を踏まえた上で、自分の考察を自由に深めていける。
★zekkoutyou
「お隣の人と話し合ってみよう」は授業でよく使われます。
それをちょっと変えるだけ。
こんな些細に思えるところから、子どもにがっかりさせることなく、効率よく、考察を深めさせ、リフレッシュもできる。
この本には、他ではみない、こんなワザが詰まっています。