西川純著 明治図書からの引用
悩む先生が生まれる原因
自分が悩んでいるとき、相談すればいいですが、なかなかできません。
なぜでしょう。
自由に相談でいる時間を与えたときのクラスの様子を思い出してください。
その教科が不得意な子どもを見て、「ほら、そんなに固まっているくらいだったら、聞きに行けばいいじゃないか」と思っていませんでしたか?
そして、促したかもしれません。
しかし、たいていの場合は、なかなか動きませんよね。
なぜでしょうか?
それは、自分が不得意であることを恥じており、それをあらわにすると周りからバカにされるのではないかと恐れているのです。
悩んでいる教師も全く同じです。
悩んでいるのに相談できず、その結果として問題はもっと深刻化します。
自分自身に対する評価はどんどん下がり、自分だけがダメで、それが周りにわかったらどんなにバカにされるのではないかともっと不安になってしまいます。
そして、どうにもこうにもならなくなった段階で表出するのです。
では、どうやったら解決できるでしょうか?
これまた子どもと同じなのです。
自分がダメだな~と思っている子どもや教師を動かそうとしてもなかなか動きません。
動かすべきは、悩んでいない子どもや教師なのです。
その人たちが、こまめに周りに気を配り、いち早く困っている人を見つけ、その人に声をかけなければなりません。
子どもの中にも「教えてあげよっか?」と言っても、追い払う子はいます。
もちろん大人ですからそこまであからさまにはしないと思いますが、「大丈夫」と言って拒否する人はいます。
そうであっても、いろんな人が代わる代わるいろいろな語り口で声をかけ続けます。
そのうちに「実は・・・」と話し始めるかもしれません。
私が若手教師だったとき、「実は困ったことがあって」と先輩教師に切り出す前に、「純ちゃん、どうしたの?」と先輩教師の方が声をかけてくれました。
しかし、「実は・・」と話し始めるためには、相手を信頼できる人と認識しなければなりません。
自分が恥じている今の現状を言っても、「何でそんなことするの!」「ダメじゃないか!」と否定しないで聞いてくれる人であることを確信しなければなりません。
そのためには、自分が恥じている今の現状ではなく、当たり障りのないことを話しながら、相手を値踏みする必要があります。
★zekkoutyou
>動かすべきは、悩んでいない子どもや教師なのです。
>その人たちが、こまめに周りに気を配り、いち早く困っている人を見つけ、その人に>声をかけなければなりません。
確かに!!
でも、これは実際『学び合い』を経験されていない方にはムズカシイことかもしれません。
だから、常日頃から、
お互いに、こまめに周りに気を配り、いち早く困っている人を見つけ、その人に声をかけあう
職場環境にしておくことが大切になりますね!