「マンガでよくわかる 行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術」④

石田淳著 かんき出版からの引用です。

 

≪正しく「ほめる」ことで部下の成長・業績をアップさせる≫

●行動をほめるのは難しくない

 

たとえば「おなかを凹ますために、腹筋運動をする」という行動の場合はどうでしょう。もちろん、毎日の腹筋を続けていればいずれおなかは凹みますが、それがわかっていても、なかなか続けられない理由も説明できます。

その理由は「行動」の直後に”望ましい結果”が得られないからです。

思い切って、50回腹筋運動を実行したところで、当然ながらおなかがスッキリ凹むわけはなく、腹筋が痛い、苦しい、という望ましくない結果だけが起こります。

 

ビジネスでも、”この行動を継続すれば、必ず売り上げがあがる”と頭では理解していもすぐにいい結果が得られるわけではないので続かない。

そこで「行動」の直後に「望ましい結果」、すなわち”ごほうび”を与えるというのが、行動科学マネジメントの考え方です。

何かの行動に対して、ご褒美を与えることを行動科学の世界では「強化」と呼び、「強化」することによって「行動」の頻度が増えることは数多くの実験によって立証されています。

では、ビジネスマンにとっての最高のごほうび(強化)は何でしょうか?

答えは「上司から褒められること」「上司から認められること」です。

部下が望ましい行動をしていたら「よくやっているな、その調子だ!」といった声掛けによって、ほめたり、認めたりする。

すると、自分の行動が認められた部下は、またほめてもらおうとして、その行動を繰り返します。

人材育成でほめることが重要だというのは、科学的にも理にかなったことなのです。

 

私が説明している”部下をほめる”という行為は決して難しいものではありません。

なぜなら目的は部下の”望ましい行動”に「ほめる」というごほうびを与えて、その行動を繰り返すようにサポートすることだからです。

つまりほめる対象は「行動」

部下の人間性や性格や外見をほめるのと違い、実行した行動について「ちゃんとできているな!」と認めてあげるだけです。

 

「ほめる」というごほうびが望ましい行動を繰り返す原動力になるのです。

逆に言えば人間は”人から認めてもらえない行動は”続けることができない”ということになります。

 

★zekkoutyou

望ましい行動を、直後に、ほめる。

 

これは各学級でたくさんしてあげたいことです。

あたりまえ、と思うことこそ、望ましい行動ですから、たくさんほめてあげたい、ほめてあげてほしいです。

「マンガでよくわかる 行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術」③

石田淳著 かんき出版からの引用です。

 

≪部下の成長をサポートするために≫

●確実に100点がとれる課題で成功体験を

 

近頃、自己評価が低く、自分に自信が持てない若者が増えていると言われています。

そこにはさまざまな原因があるでしょうが、そのうちのひとつが”人生における成功体験が非常に少ないこと”ではないかと私は考えています。

 

成功した体験がないわけではありません。

問題なのは、”すごく頑張った”→”成功した”→”認められた”→”うれしい”とはっきり認識できる機会がすくなかったということ。

おそらく、子ども同士の競争や順位付けを極端に排除した”ゆとり教育”がその一因でしょう。

それ以前の子どもたちには「あいつらに負けるもんか!」と歯を食いしばって努力し、”小さな成功体験”を手にする機会が、たとえば運動会のような行事の中にも、休み時間の遊びの中にもたくさんありました。

 

・・・

人は何かの行動によって直後に”望ましい結果”が得られると、再び同じ行動を繰り返そうとします。

ですから、部下の実践し続けてほしい行動があるなら、「気合を入れろ!」と叱咤激励するより、因果関係をコントロールするほうが、はるかに効果的なのです。

 

★zekkoutyou

日本の若者の自己肯定感の低さはしばしば課題として目にします。

先生方は、自己肯定感を高めたいと日々努力しているのですが・・。

”認める””承認”というところは、たぶんほとんどの先生方が意識してくれているのではないかと思います。

だとすると、大事なのはその前の”すごくがんばった”というところにもっておくことでしょうか。

「マンガでよくわかる 行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術」②

石田淳著 かんき出版からの引用です。

 

≪具体的な行動で表現する≫

●指示や指導も”具体的な行動”で表すこと

 

行動を具体的に言語化するとき、参考にしたい「MORSの法則(具体性の法則)」

・Measured 計測できる(数値化できる) 

・Observable 観察できる(誰が見ても、どんな行動をしているかわかる)

・Reliable 信頼できる(どんな人が見ても、それが同じ行動だと認識できる)

・Specific 明確化されている(何をどうするかが明確になっている)

 

この4つの条件を満たしていないものは「行動」とは呼べません。

 

例)×お客様に商品を渡すときは、もっと丁寧に

  〇商品を両手で運びながら、お客様を見せの出口まで案内する

 

  ×計画書をできるだけ早く提出する

  〇明日の午前11時までに、私のメールに添付して送ってください

★zekkoutyou

 これは、教師が指示するときにとても有効ですね!

つい、「きちんと」「しっかり」「ちゃんと」・・・といった言葉をつかいがちです。

ここまで明確にはできないにしても、この意識は必要ですね。

「マンガでよくわかる 行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術」

石田淳著 かんき出版からの引用です。

 

≪そもそも「教える」とは?≫

●部下や後輩の成長に根性ややる気は関係ない!

 

もし、部下の教育や指導について「なんとかしたい」「もっとよくしたい」と考えているのなら、”「教える」とは何か?” を一度きちんと考える必要があります。

 

――「教える」とは、相手から”望ましい行動”を引き出す行為である

 

私は「教える」という言葉をこのように定義しています。

 

人は「教える」ことによって相手を望ましい行動へと導くわけです。

さらに詳しくみていくと、望ましい行動への導き方には2種類あります。

 

1 相手が望ましい行動を身に付けていない場合

→ 望ましい行動をできるようにする

・たとえば、掃除の手順を知らない人に正しい手順を教えることや、初めて使うパソコンソフトの入力方法を教えることが、これに当たります。

 

2 相手が間違った行動をしている場合

→ 望ましい行動へと変える

・たとえば、資料をまとめるホチキスの一が間違っている人に正しい位置を教える、お客さまへのお辞儀が浅すぎる人に望ましい角度を教える、といったこと。

 

教えたことがちゃんとできていない、仕事の覚えが悪い・・・。

そんなとき、「仕事に対する熱意が足りないからだ」というふうに原因を部下や後輩の「心」のせいにしてしまう上司が少なくありません。

 

しかし、「教える」というのは「相手から、望ましい行動を引き出す行為」なのですから、注目すべきは行動です。

「根性」や「熱意」といった、気持ち=心にばかりこだわっていてはいつまでたっても問題は解決しません。

部下が仕事を覚えないのは、上司の教え方が適切でないために、望ましい行動が引き出せていないからだということをはっきり認識しましょう。

 

・望ましい行動をしていないなら、その行動ができるまで教える

・行動が間違っていれば、それを正しい行動へと変えさせる

・望ましい行動ができているなら、その行動をさらに実行し続ける

 

★zekkoutyou

 

>部下が仕事を覚えないのは、上司の教え方が適切でないために、望ましい行動が引き出せていないからだということをはっきり認識しましょう。

 

耳が痛い・・。

特に教育の現場では「愛情・熱意etc..」という心の問題にしてしまいがちです。

(でも、これは実際大きいと思います)

ですが、「行動」にスポットをあて、望ましい行動を教えることができれば、解決する問題も多くある気もします。

 

また、部下でなく、児童生徒に教えるには「、行動に注目する」はとても大切な気がします。

 

「すぐ試したくなる!実践 心理学大全」⑥

面白心理学会編 青春出版社からの引用です。

 

≪できる上司は命令ではなく確認で部下を動かす≫

 

「命令じゃなくて確認すれば、人は動いてくれるんですよ」

と言うのはITビジネスの若き創業者F氏である。

 

「例えば『報告書を早く上げろ』という命令口調では無く、『あの報告書、仕上げてくれた?』と確認の形にするんです。

これならキツイ言い方になりませんから、若手も動いてくれますよ。

それに確認に返答したのにやらなかったら、それこそダメ社員と評価されちゃいますからね。

必死でやりますよ。」

 

他にもこんな言い換えができる。

A社にアポイントをとっておけ  → A社にアポ取ってほしいって言ったっけ?

この仕事は今日中にやっておけよ → 今日中にこの仕事はやれそう?

今月は絶対に目標を達成しろよ → 今月の目標、達成できそうかな?

・・・

命令を確認に置き換えると、ずいぶんあたりが柔らかくなる。

確認といいつつ、やってほしいという意味も含まれているから、言われたほうはそのままにはできない。

できる上司は、賢く部下を動かすのである。

 

☆zekkoutyou

 

これも「動かす」と思ってつかうと少し、いやな感じが漂います・・。

相手の気持ちを考えて言葉を選ぶことが大切ということですよね。

「すぐ試したくなる!実践 心理学大全」⑤

面白心理学会編 青春出版社からの引用です。

 

≪部下がどんどん伸びる期待の掛け方とは≫

 

・・・

学歴も過去の実績も不問で人材採用をしているにもかかわらず、その会社は業界屈指の技術力をほこり、多くの優秀は技術者を育てている。

そこには何か秘密があるはずだ。

 

「秘密なんてないよ。

人の潜在能力ってのは無限なんだ。

要は、それを引き出してやるか、うもれさせるかだけ。

強いて言うなら、教えているというよりも、期待をかけることかな。

何かを達成したら、それがどんなに小さいことでもほめて、『おまえはもっとできるはずなんだ』ってどんどん高いレベルに挑戦させるんだ。

うちでやっているのは、そんなもんだよ」

 

いやいやこれは案外理にかなったやり方かもしれない。

期待をかけると、人は伸びるという実験結果もでている。

・・・

このように、人は他人から期待されると、その期待に添いたいと願う傾向がある。

そして期待を実現すべくがんばろうとするのである。

 

「新人が伸びないなんて言っている企業は教えてるヤツが悪いんだよ」

 

と社長は断言する。

耳の痛い言葉である。

 

☆zekkoutyou

本当に耳が痛いです (笑)

大人を育てるにも、子どもを育てるにも大切にしたい考え方です。

「すぐに試したくなる!実践 心理学大全」④

面白心理学会編 青春出版社からの引用です。

 

≪単純だけど効果絶大 この繰り返し言葉≫

 

客商売ではお客からのクレームはつきもの。

もちろん大半は「欠陥商品だったので交換してほし」といった、ごくまっとうな要求だ。

だが一方で、明らかにお客の落ち度で壊したのに交換を要求する人や「お詫びにもう1個よこせ」などと理不尽な要求をつきつけてくる人もいる。

 

「そんなときは、『ひたすら同じ言葉を繰り返せ』と店員に指導しています」

 

たとえばかった傘が壊れていた。

忙しい中わざわざ交換に来たのだから値段を半額にしろ」と要求された。

そんなとき

「申し訳ありません。以後きをつけますので」と謝る。

「謝るだけでは誠意が足らないんじゃないの?」

と言われても

「申しわけありません。以後こういうことがないようにしますので」と謝る。

これを何度か繰り返すと、お客は根負けして「じゃあ次からは気をつけてね」と返っていくというのだ。

「半額だなんて理不尽な要求、聞けるわけありませんからね。とはいえ、『それは可おかしい』『うちも商売だから無理だ」』などと説明しても相手は反論するだけです。それならいっそ、シンプルに同じことを繰り返したほうがいい。相手はやがて、『これはいくら言っても無理だ』とあきらめるようになるんです。・・

☆zekkoutyou

 

クレーム対応は、学校として身に付けたいスキルの一つです。

理不尽には、第1弾としてこのシンプルに繰り返すことも、一つの手かもしれません。